講演情報

[P1-92]在宅褥瘡処置における動画QRコードを用いた非同時的な多職種連携の試み

小林 菜保子1, 野末 睦1, 芳賀 紀裕1, 川合 重夫1, 楢原 創1, 石倉 聖美1, 野末 瑞樹2, 今成 玲子2, 馬場 仁史2, 竹内 凛1, 石井 雅美1, 松澤 三友紀1, 永田 典子1, 久保田 智子1, 小山 莉奈1 (1.医療法人 あい友会 あい太田クリニック, 2.医療法人 あい友会)
【はじめに】 在宅褥瘡治療は、医師・訪問看護師・介護施設スタッフなど多職種が介入するため、従来の文書による指示のみでは手技の微細なニュアンスが伝達困難な場合がある。今回、処置動画をQRコード化し患家で共有した2症例を紹介する。撮影および発表において患者・家族から同意を得ている。
【症例1】 90代女性:慢性心不全・認知症・仙骨部等の多発褥瘡。仙骨部に黒色壊死を伴う重度褥瘡を認め、処置を開始した。在宅の訪問看護師に向けて動画QRコードを導入していたがショートステイ(SS)の利用頻度が高くなり、在宅と施設で処置担当者が入れ替わる環境だった。そこで患家で使用していた動画QRコードをSS利用時に持参した。
【考察1】 仙骨部のポケット洗浄や被覆材(リボン状ガーゼ等)の充填手技は複雑で、SS看護師への技術伝達は困難だったが、医師実施の処置手順を動画視聴することで施設利用中の処置不備による悪化を回避できた。
【症例2】 70代男性:認知症・2型糖尿病・尾骨部褥瘡。2025年7月にポケット切開を施行した。その後創縁を寄せるテープ固定(水原らの方法に準じて)を行った。固定位置やテープを貼る際の皮膚をよせる強さを視認出来るよう動画QRコード化し、共有した。
【考察2】 連日のテープ固定により皮膚剥離が生じると、訪問看護師から貼付方法の変更提案(一文字から十字へ)があり、医師がそれを承認して動画を更新するなど、動画を介した双方向的な連携により皮膚トラブルに対応しつつ適切な処置を継続できた。
【まとめ】院内ICTチームが構築したパスワード機能付き動画QRコードシステムは、特別な機器を必要とせず日常診療で即座に導入可能であった。言葉や静止画では伝わりにくい「手技の動画」を現地に残すことは、関わるスタッフが多い在宅・施設連携において、処置の均てん化及び安全性の確保に寄与する有用なツールと思われた。