講演情報

[PL1]我が国の在宅医療の現状と課題、日本在宅医療連合学会の役割

平原 佐斗司 (東京ふれあい医療生活協同組合 梶原診療所)
1987年国立島根医科大学卒、同第2内科、六日市病院、平田市立病院、帝京大学病院第2内科を経て、梶原診療所で地域医療、在宅医療に従事。現在、東京ふれあい医療生活協同組合研修・研究センター長、同オレンジほっとクリニック地域連携型認知症疾患医療センター長。日本在宅医療連合学会代表理事、日本認知症の人の緩和ケア学会理事長、日本エンドオブライフケア学会副理事長。総合内科専門医、在宅医療専門医・指導医、東京科学大学、聖路加国際大学臨床教授。編著:チャレンジ在宅がん緩和ケア、チャレンジ 非がん疾患の緩和ケア、心不全の緩和ケア、非がん性呼吸器疾患の緩和ケア、認知症の緩和ケア、腎不全の緩和ケア、エンドオブライフケア(南山堂)、「認知症の人に寄り添う在宅医療」(クリエイツかもがわ)、在宅医療のすべて(中山出版)、認知症plus 緩和ケア、認知症プライマリケアまるごとガイド(中央法規)等
日本在宅医療連合学会は、ともに1990年代の前半にルーツをもつ「日本在宅医学会」と「日本在宅医療学会」の2学会が、質の高い在宅医療の実践を通じて在宅で療養するすべての人の尊厳を守り、一人ひとりの生き方を支援し,本人と家族のQOLの向上をはかること、そして安心して暮らし続けられる地域づくりに貢献すること、さらには「暮らし」や「いのち」を支えるための新しい学問としての「在宅医学」を創造し、普及させていくという共通の目的を掲げて2019年に合併し、多職種とともに在宅医療を推進する学会として再出発しました。  1992年に在宅医療が制度化されて三十数年、在宅医療は時代とともに変化してきました。当時と比べると、在宅医療や在宅ケアの資源は充実し、多職種連携が進み、全国各地で地域包括ケアシステムが構築されてきました。また、教育・研修、人材育成もすすみ、在宅医療を支える医療やケアの専門家集団が形成され、学問体系も構築されるなど、在宅医療は大きく発展しました。一方、圧倒的な社会構造の変化、具体的には少子高齢多死社会の到来、需要爆発、労働力危機、財政危機の中で、在宅医療をめぐる多くの課題が顕在化してきています。、かつて在宅医療がこれほど複雑で多様な課題を抱えていた時代はなかったかもしれません。未来の在宅医療の在り方を構想する種は、目の前の患者さんの中に、現在の地域医療の課題の中あります。既存の在宅医療では、解決できなくなった諸課題に対して、我々がどのように向き合うのかが問われています。当学会はこの一年、在宅医療のあり方について議論し発信するために、そして時代に即した学会運営の在り方を検討するために、あり方委員会で議論を重ねてきました。本講演では、このような時代における在宅医療のあり方、当学会の果たすべき役割について皆様とともに考える機会になれば幸いです。