セッション詳細

[TU8]チュートリアル8 医療情報システムのシステム更新におけるデータ移行の課題と対策

2025年7月3日(木) 16:00 〜 18:00
第4会場(会議室2)
オーガナイザー:本多 正幸
座長:近藤 博史(協立記念病院)、本多 正幸(千葉大学病院)
主催:SDMコンソーシアム
医療情報システムは、システム更新において必ずデータ移行作業が発生し、その費用は更新費用に対して、大きな負担となる。またデータの移行において、データの真正性が保たれているかどうかを客観的に確認する方法も確立されていない。システム更新は、たとえ同じベンダーであっても、プラットフォームの変更によりデータ移行は発生する。さらにバージョンアップやカスタマイズなどが発生している場合には、変換をともなう移行が発生するため、複雑な作業を必要とする。また異なるベンダーへの移行においては、異なるプラットフォームやデータ構造への移行となり、真正性のみならず、保存性、見読性を維持することが困難であり、いわゆるデータロストが発生する。そのため、旧ベンダーの参照システムをそのまま維持するか、PDFなどドキュメントとして保存する方法を選択するなど、様々な対策を講じているのが現状である。
本セッションでは、データ移行において、DWHを利用する方法について紹介する。DWHは、発生時にデータを保存しておくことができるため、移行時に発生する全データ抽出費用を軽減するだけではなく、DWHを用いて過去データを検索可能な状態で保存することが可能となる。したがって参照システムや、PDFを用いる必要もないため、移行費用を軽減することができる。しかしDWHへのETL時にデータロストが発生することや、真正性をどう維持するかなど問題点もある。
本チュートリアルでは、電子カルテとの親和性が高く、改竄を検出する機能を有する共通モデルのSDMを用いた移行方法、およびデータ検証方法を解説し、データの継承性や二次利用アプリケーションの継承性についても紹介する。本チュートリアルを受講することにより、ユーザーがDWHを利用したデータ移行およびデータ検証に関する知識を有し、データ移行に関する要件仕様を作成できるようになることを期待する。

[TU8]医療情報システムのシステム更新におけるデータ移行の課題と対策

*鈴木 英夫1、*飯田 征昌2、*鈴木 隆弘3 (1. SDMコンソーシアム、2. 蒲郡市民病院、3. 千葉大学病院)