セッション詳細

[TU3]チュートリアル3 医療機関において安心・安全に電波を利用するために

2025年7月3日(木) 10:30 〜 12:30
第5会場(会議室3)
オーガナイザー:花田 英輔
座長:相澤 康弘(東北文化学園大学 工学部)、花田 英輔(佐賀大学 理工学部)
主催:佐賀大学理工学部数理・情報部門
いまや医療現場において情報通信基盤は必要不可欠なインフラであり、なかでも、手軽に利用でき場所を選ばない電波(無線機器)の利用が格段に拡がっている。その一方で、電波による医療機器への影響に対する不安や、電波の干渉、不具合の発生などのトラブルも問題となっている。
そのようななか、総務省では、医療機関において安心・安全に電波を利用するための周知啓発活動等に積極的に取り組んでいる。
平成28年には、電波環境協議会が「医療機関において安心・安全に電波を利用するための手引き」(以下、手引き)を発行し、医療機関内において多く用いられる「医用テレメータ」、「Wi-Fi(無線LAN)」、「スマートフォン・携帯電話」について、その導入・管理の方法や、利用にあたって留意すべき点をとりまとめた。その後、手引き発行以降の、新たな電波・無線通信技術の普及や、医療機器の電波耐性に関するJIS規格の改定などを受け、令和3年7月には、「手引き」の改定版を発行した。
また、医用テレメータの不感対策には、施設の設計段階から電波利用を考慮することが有用であるため、令和3年9月に日本建築学会が発行した「医療機関における電波利用機器に配慮した建築ガイドライン・同解説-医用テレメータ編-」への技術協力などを行ってきた。さらに令和6年度には「医用テレメータ不感対策事業」として全国13の医療機関における医用テレメータの不具合を調査し、対策を実施した。
本チュートリアルでは、医療機関での安心・安全な電波利用のため、「手引き」改定版と「建築ガイドライン」のポイントを解説すると共に、「医用テレメータ不感対策事業」における具体的な取組と医療現場における電波管理の事例を紹介することで、医療機関内における電波監理の手法を周知するとともに、電波に関わるトラブルが引き起こすインシデントや医療事故を防ぐことを目的としている。

[TU3]医療機関において安心・安全に電波を利用するために

*菊池 諭1、*花田 英輔2、*新 秀直3、*相澤 康弘4、*熊谷 一治5 (1. 総務省東北総合通信局 電波監理部、2. 佐賀大学 理工学部、3. 東京大学医学部附属病院 企画情報運営部、4. 東北文化学園大学 工学部、5. 石巻赤十字病院 臨床工学技術課)