一般社団法人日本鉱物科学会2019年年会・総会

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2019年9月19日〜9月23日九州大学伊都キャンパス
日本鉱物科学会年会
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2019年9月19日〜9月23日九州大学伊都キャンパス

[R2P-09]ビビアナイトにおける生成条件と鉄の酸化数「発表賞エントリー」

*千葉 康平1、大嶋 江利子2、高橋 美咲3、杉山 和正4(1. 一関高専・物質化学工学専攻、2. 一関高専・未来創造工学科 化学・バイオ系、3. 一関高専・物質化学工学科、4. 東北大・金研)

キーワード:

ビビアナイト、メタビビアナイト、鉄リン酸塩

2価の鉄のリン酸鉄鉱物のビビアナイトは発見時は無色であるが,すぐに青色に変化することが知られている.これはFe2+の空気酸化によるものとされている.またビビアナイトの鉄の一部が酸化されたメタビビアナイトがあり,天然ではビビアナイトとメタビビアナイトは共存する.本研究では,常圧で水が存在できる範囲で反応温度を変化させ生成するリン酸鉄の変化を調べた.その結果をもとにビビアナイトその類縁化合物の関係を考察した.
  50 ℃ではビビアナイト,60 ℃でビビアナイトとメタビビアナイトの混合物,70 ℃以上で両者と異なる化合物が得られた. 60 ℃で長時間反応させた場合や60 ℃前半で反応させた場合でも,メタビビアナイトの単相は得られなかった.つまりメタビビアナイトの生成温度範囲は以上に狭く,メタビビアナイトは準安定相であると考えられる.また,60 ℃以下での生成物中の鉄は2価,70 ℃以上では3価の成分があることも分かった.