[R5-11]小惑星リュウグウ表層粒子の衝撃変成
*富岡 尚敬1、山口 亮2、伊藤 元雄1、上椙 真之3、今栄 直也2、白井 直樹4,5、大東 琢治6,7、木村 眞2、Liu Ming-Chang8、Greenwood Richard9、上杉 健太郎3、中藤 亜衣子10、与賀田 佳澄10、湯沢 勇人6、兒玉 優(1. JAMSTEC、2. 国立極地研究所、3. SPring-8、4. 東京都立大学、5. 神奈川大学、6. 分子科学研究所、7. 高エネルギー加速器研究機構、8. カルフォルニア大学ロサンゼルス校、9. オープン大学、10. 宇宙航空研究開発機構)
キーワード:
はやぶさ2、小惑星リュウグウ、衝撃変成、SEM/TEM
含水小惑星を構成する物質の鉱物学的特徴とその衝突イベントによる効果を探ることを目的として、SEM、TEMを用い、探査機はやぶさ2が地球に持ち帰った小惑星リュウグウの表層粒子の微細組織観察を行った。リュウグウ粒子は鉱物学的にCIコンドライトに類似している。一部のリュウグウ粒子の最表面は宇宙風化層を持ち、微小衝突による層状ケイ酸塩の脱水分解が示唆されている。しかしながら、本研究で観察した個々の粒子は、全体としては顕著な衝撃効果を示さず、脱水も破砕も限定的であることが明らかとなった。一方で、衝撃による微細断層と考えられる剪断変形組織や、硫化物の高圧相が確認された。本講演では、これらの組織からリュウグウ粒子が経験した衝撃圧力を評価する。
