セッション詳細

【一般公募企画5】「下肢切断は嫌だ」からの再起を支えるレジリエンス看護の実践

2026年9月19日(土) 9:00 〜 10:00
第8会場(ANAクラウンプラザホテル岡山 [1F] 曲水(東))
座長:内田 輝美(住友病院看護師長/慢性疾患看護専門看護師)
企画代表者:内田 輝美(住友病院看護師長/慢性疾患看護専門看護師)
講師:永瀬 紗奈衣(神戸中央病院看護師長/慢性疾患看護専門看護師)
   東田 美紀(大山記念病院看護師長/慢性疾患看護専門看護師)
   本吉 裕美子(神鋼記念病院/慢性疾患看護専門看護師)
   桑原 京子(神戸市立医療センター西市民病院/慢性疾患看護専門看護師)
【企画の背景・目的】 包括的高度慢性下肢虚血(以下、CLTI)患者のケアは、下肢切断の連鎖に伴う絶望感から、看護師をもバーンアウトへ追い込みかねない。本企画では、治療の同意が得られない状況を「問題行動」として捉えるのではなく、「自分らしさを守るための力」と捉えた 。専門看護師(以下、CNS)が実践した「患者の強みを引き出し、尊厳を取り戻す支援」を言語化し、明日からの臨床で活用できるワザや実践知として共有することを目指す。 【事例分析:心理変容のプロセス】A氏は経営者としての誇りを持ち、合理的な理解が可能な80歳男性である。しかし、追加切断の説明に対し強行退院を決めた。この行動を単なる「治療拒否」ではなく、自己のアイデンティティを守り、自分らしさを維持しようとした「防御的レジリエンス」として分析した。 【看護介入】 CNSは、A氏のレジリエンス要因に着目しケアを実践した。それは、A氏の「経営者としての判断力」を尊重し、主体性が取り戻せる関わりとなっていた。その結果、A氏は「一人の人間として大切にされている」感覚を深め、自身の真の思いに気づくことで、最終的には自ら納得して追加切断を選択するに至った。 【本企画の構成・活用】 本セッションでは、事例検討を通して「防御的レジリエンス」のメカニズムを解説し、グループワークでは「治療選択の保留」という逆境の背後に隠されたレジリエンスを捉える視点を検討する。事例展開では看護の本質が「傷を治す」ことから「人生を立て直す」ことへとシフトする瞬間を提示し、ディスカッションによって困難な状況下でも患者のレジリエンスを可視化する力が高められる構成としている。自施設にも応用可能な「折れない心を支える看護」のあり方を参加者と共に探求し、知見を深めたい。