講演情報

[PPS05-01]火星大気散逸探査(のぞみ後継機)のミッション計画とシステム検討

*松岡 彩子1、関 華奈子2、寺田 直樹3、横田 勝一郎1、山崎 敦1、阿部 琢美1、今村 剛1、川勝 康弘1、二穴 喜文4、平原 聖文2、石坂 圭吾5、熊本 篤志3、栗原 純一6、中川 広務3、坂野井 健7、田口 真8、小郷原 一智9 (1.宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所、2.名古屋大学STE研、3.東北大学理学部、4.IRFスウェーデン、5.富山県立大学工学部、6.北海道大学理学部、7.東北大学理学部惑星プラズマ大気研究センタ、8.立教大学理学部、9.滋賀県立大学工学部)

キーワード:

火星、惑星大気、太陽風、惑星磁場、プラズマ

火星の大気の変遷には、太陽風との相互作用が大きく影響したと考えられているが、今現在の火星においてさえ、大気と太陽風との相互作用の物理プロセスは明らかになっていない。
地球と異なり、現在の火星は惑星固有の磁場を持たない。その結果、太陽風は低い高度にまで達し、火星の大気と直接相互作用して、火星大気の一部は散逸される。この過程は、長い間には火星大気の組成を変化させるまでの作用を及ぼし、火星大気や、ひいては地上・地下の二酸化炭素(ドライアイス)や水・氷の変遷に大きく影響した可能性があると考えられている。大気散逸の様子は、太陽活動や太陽との距離によって影響を受けるため、大気の長期的な変遷を考えるためには、様々な太陽の状態について相互作用の働きを知らなければならない。
我々は、2011年12月にJAXA宇宙科学研究所理学委員会において火星大気散逸探査検討ワーキンググループを発足させた。このワーキンググループは、大気散逸に焦点を当て、2つのオービターによって散逸の全体像とプロセスを同時に観測することを検討している。1つのオービター(親衛星)によって、大気散逸が起きているその場のプラズマや中性粒子の観測、散逸する大気等から発せられる光をリモートで撮像し、もう1つのオービター(子衛星)によって同時に太陽風をモニターするというものである。大気散逸の物理プロセス、グローバルな全体像、物理プロセスを決める太陽風のモニターを同時に行うことは、複数衛星によって初めて可能となる、真に大気散逸の全容解明に迫る観測である。
現在我々は、2024年頃の太陽活動極大期における火星観測を行う大気散逸観測オービターの実現に向けて、サイエンス・観測機器・衛星の検討を行っている。科学目標の定量的・具体的な策定、それを達成するために必要な観測機器技術、計画を実現させるための衛星システムおよび軌道計画を検討している。 検討内容の報告と、今後の開発計画を発表する。