講演情報

[AOS29-02]漂流ブイで観測された北太平洋移行領域の流動構造

*西川 はつみ1、三寺 史夫1、奥西 武2、伊藤 進一3、和川 拓4、長谷川 大介2、美山 透5、金子 仁2 (1.北海道大学低温科学研究所、2.国立研究開発法人 水産研究・教育機構 東北区水産研究所、3.東京大学大気海洋研究所、4.国立研究開発法人 水産研究・教育機構 日本海区水産研究所、5.国立研究開発法人海洋研究開発機構アプリケーションラボ)

キーワード:

移行領域、磯口ジェット、漂流ブイ観測、海底地形

北太平洋移行領域は亜熱帯と亜寒帯の海水交換が行われ,海洋学的・気象学的・生物学的に非常に重要な海域である。本研究では,漂流ブイ観測及び粒子追跡モデル (TRACMASS: Döös 1995, Blanke and Raynaud 1997) の解析結果から移行領域の流動構造や亜熱帯から亜寒帯への海水の輸送過程を明らかとする。
漂流ブイ観測は磯口ジェット (Isoguchi et al., 2006, Wagawa et al., 2014) 及び移行領域の流れの構造を可視化した。また,粒子追跡モデルから得られた粒子の軌跡の頻度分布は,海底地形に沿う流れと海底地形の谷を通過し亜寒帯へ入り込む流れを示しており,亜熱帯から亜寒帯への海水輸送経路が示唆された。
粒子の通りやすい高頻度分布領域は,42°N – 155°E周辺にも確認できた。漂流ブイの軌跡もほぼ同じ場所で渦を描くような軌跡を示していた。この渦の原因として,42.5°N – 157°Eに位置する小さな海底地形に伴う順圧流と海面付近での傾圧流が示唆された。この渦も,亜熱帯と亜寒帯の海水の交換に寄与している可能性がある。