講演情報

[ES7-3]明日からの補綴治療の質を高めるLOT

*谷山 隆一郎1、*高野 遼平2、*河村 篤志3 (1. 九州支部、2. 新潟大学大学院医歯学総合研究科補綴学分野、3. 東海支部)
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キーワード:

LOT、矯正的挺出、臼歯のアップライト

補綴を行う際に臨床家を悩ませる病態の一つに,欠損の放置による臼歯の傾斜移動がある.
特に多く見られるのが,下顎第1大臼歯の喪失による下顎第2大臼歯の近心傾斜であり,臨床でも頻繁に経験される.下顎第1大臼歯は咬合の中心となる重要な歯であるため、補綴方法の選択には慎重な判断が求められる,通常,固定性の補綴物が検討されるが,ブリッジを選択した場合,支台歯の大幅な削除が必要となり,場合によっては抜髄に至ることも少なくない.また,装着後のプラークコントロールや咬合管理の難しさから,長期的に満足のいく結果が得られにくいことも課題である.そこで,矯正的な整直を行った上で補綴治療を施せば,これらの問題の多くが解決できると考えられる.本セッションでは,矯正的な整直に焦点を当て,アンカースクリューを用いた症例を中心に,従来の治療法と比較しながら議論を深めたい.皆さまと有意義なディスカッションができれば幸いである.