講演情報

[LS5]L8020乳酸菌とプロバイオティクス・ポストバイオティクス

*二川 浩樹1 (1. 広島大学大学院医系科学研究科口腔生物工学分野)
PDFダウンロードPDFダウンロード

キーワード:

L8020乳酸菌、プロバイオティクス、ポストバイオティクス

歯科補綴学教室で義歯表面に形成される微生物バイオフィルムであるデンチャープラークの研究をする一方で、出張先の障害者施設での歯科治療に携わっていました。そのような障害のある患者さんは治療しても歯はどんどん悪くなっていくのです.歯科補綴学の認定医としてのプライドはやや傷つきこのようにセルフコントロールの出来ない患者さんのために何とかできないだろうかということばかり考えていました。そのとき、ふと、バイオフィルムの形成に関わる因子を利用して、逆にバイオフィルムの抑制を行うことが出来ないだろうかと考えたことが、現在のL8020乳酸菌の研究につながっています。
 口腔内にはオーラルフローラ(お口のお花畑)と呼ばれる微生物叢があり,腸内細菌叢と同様に,その中に乳酸菌を含んでいるため,オーラルフローラに対して乳酸菌を利用することでむし歯や歯周病になりにくくする研究を行ってきました。本ランチョンセミナーでは,特に,高い抗むし歯菌作用と抗歯周病菌作用そして抗カンジダ作用をもった乳酸菌ラクトバチルス・ラムノーザス(L8020乳酸菌)のプロバイオティクスとしての効果だけでなく,バイオジェニクス効果およびポストバイオティクスの効果などについてお話しいたします.若い歯科医師の先生方や歯科衛生士さんに多数参加していただければと思っています.