講演情報
[P-15]非接触型三次元形状計測装置を用いた瞳孔・口裂間距離の正面観と側面観の比較検討
*渡會 侑子1、水橋 史1,2、浅沼 直樹1、鈴木 達大2、川名 桃香2、永田 琴乃2、新妻 智憲2 (1. 日本歯科大学新潟生命歯学部 歯科補綴学第1講座、2. 日本歯科大学大学院新潟生命歯学研究科 機能性咬合治療学)
【目的】
デジタル技術を応用した歯科治療は発展しており,CAD/CAM技術を応用した義歯製作が可能となっている.しかし,咬合採得の方法については未だデジタル応用されておらず,義歯製作におけるデジタル化のさらなる発展には,デジタル技術を応用した咬合採得法についての検討が必要である.これまで,高齢者における非接触型三次元形状計測装置を用いた正面観の顔面計測法において,装置を固定した状態で用いると,実測値と差のない測定値が得られることを報告した.また,鼻下点・オトガイ間距離の測定には,側面観の三次元顔貌データより正面観の三次元顔貌データを用いた方が有用である可能性について報告した.本研究の目的は,瞳孔・口裂間距離の三次元顔貌データにおける正面観と側面観の比較検討を行うことで,さらに非接触型三次元形状計測装置を用いた咬合高径決定法について検討することである.
【方法】
対象者は,日本歯科大学新潟病院に通院している65歳以上の患者6名(男性3名,女性3名,平均年齢78.5歳±5.0歳)とした.対象者に座位にて自然頭位の状態で咬頭嵌合位を保つように指示し,非接触型三次元形状計測装置(FACE SCANNER SNAP®)を用いて顔貌のスキャンを行った.顔貌のスキャンは,装置を顔貌から30cm離れた位置に固定し,回転椅子に座った状態の対象者を1秒間に45度回転させて行った.測定項目は瞳孔・口裂間距離とし,額と顔貌の側面に,測定時に長さのキャリブレーションができるよう紙製ノギスを貼付した.スキャン後構築された三次元顔貌データの正面観と側面観において画像解析ソフト(ImageJ®)を用いて瞳孔・口裂間距離を測定し,実測値と比較検討した.測定はそれぞれ3回行い,それぞれの平均値を求め分析に用いた.
測定結果の分析には,実測値,正面観と側面観における瞳孔・口裂間距離に対して一元配置分散分析を行った.
【結果と考察】
正面観の瞳孔・口裂間距離の平均値は71.43㎜,側面観の瞳孔・口裂間距離の平均値は70.00㎜,実測値の瞳孔・口裂間距離の平均値は71.44㎜であった.3条件間に有意な差は認められなかったが,正面観の方が,実測値に近い値を示した.本研究の結果から,非接触型三次元形状計測装置を固定して用いて咬合高径決定を行う際には、三次元顔貌データ上の正面観を用いた方が有用である可能性が示唆された.
デジタル技術を応用した歯科治療は発展しており,CAD/CAM技術を応用した義歯製作が可能となっている.しかし,咬合採得の方法については未だデジタル応用されておらず,義歯製作におけるデジタル化のさらなる発展には,デジタル技術を応用した咬合採得法についての検討が必要である.これまで,高齢者における非接触型三次元形状計測装置を用いた正面観の顔面計測法において,装置を固定した状態で用いると,実測値と差のない測定値が得られることを報告した.また,鼻下点・オトガイ間距離の測定には,側面観の三次元顔貌データより正面観の三次元顔貌データを用いた方が有用である可能性について報告した.本研究の目的は,瞳孔・口裂間距離の三次元顔貌データにおける正面観と側面観の比較検討を行うことで,さらに非接触型三次元形状計測装置を用いた咬合高径決定法について検討することである.
【方法】
対象者は,日本歯科大学新潟病院に通院している65歳以上の患者6名(男性3名,女性3名,平均年齢78.5歳±5.0歳)とした.対象者に座位にて自然頭位の状態で咬頭嵌合位を保つように指示し,非接触型三次元形状計測装置(FACE SCANNER SNAP®)を用いて顔貌のスキャンを行った.顔貌のスキャンは,装置を顔貌から30cm離れた位置に固定し,回転椅子に座った状態の対象者を1秒間に45度回転させて行った.測定項目は瞳孔・口裂間距離とし,額と顔貌の側面に,測定時に長さのキャリブレーションができるよう紙製ノギスを貼付した.スキャン後構築された三次元顔貌データの正面観と側面観において画像解析ソフト(ImageJ®)を用いて瞳孔・口裂間距離を測定し,実測値と比較検討した.測定はそれぞれ3回行い,それぞれの平均値を求め分析に用いた.
測定結果の分析には,実測値,正面観と側面観における瞳孔・口裂間距離に対して一元配置分散分析を行った.
【結果と考察】
正面観の瞳孔・口裂間距離の平均値は71.43㎜,側面観の瞳孔・口裂間距離の平均値は70.00㎜,実測値の瞳孔・口裂間距離の平均値は71.44㎜であった.3条件間に有意な差は認められなかったが,正面観の方が,実測値に近い値を示した.本研究の結果から,非接触型三次元形状計測装置を固定して用いて咬合高径決定を行う際には、三次元顔貌データ上の正面観を用いた方が有用である可能性が示唆された.