講演情報
[P-23]模擬口腔内環境における光重合型リライン材の表面特性の経時的変化
*平田 明日香1、髙草木 謙介1、谷本 深雪1、村上 奈津子1、和田 淳一郎1、野﨑 浩佑1、若林 則幸1 (1. 東京科学大学 生体補綴歯科学分野)
【目的】
不適合な義歯に対するリラインは新義歯製作に比べて来院回数が少なく患者の負担軽減ができる.一方で,長期使用により表面が劣化したリライン材も散見される.軟質リライン材や人工歯の経年劣化に関する報告は存在するが,硬質リライン材,特に近年臨床応用されている光重合型リライン材の報告は不足している.本研究では,口腔内での長期間の使用を想定し,光重合型リライン材の劣化による表面特性の経時的な変化を評価した.
【方法】
実験には,光重合型リライン材(ヒカリライナー, トクヤマデンタル),常温重合型リライン材(トクヤマリベースⅢ, トクヤマデンタル),加熱重合型義歯床用ポリメチルメタクリレート(PMMA)(アクロン, GC)の3種類を用いた.試料は各材料10個ずつ製作し,#1500の耐水研磨紙で研磨した.各試料は37℃の人工唾液中に180日間浸漬した.
試料の表面特性は,表面粗さ(Sa)(LEXT OLS4000,Olympus),色調変化(ΔE)(Crystaleye, Olympus),接触角 (DM-301, 協和界面化学)を測定した. 浸漬180日後までの表面特性を浸漬0日と比較した.また,走査型電子顕微鏡(SEM)(JSM-7900F, JEOL)で試料表面の観察を行った.
統計解析は,Kruskal-Wallis検定およびペアごとの比較を用い,多重比較の際はBonferroni補正を行った(α=0.05).
【結果と考察】
光重合型リライン材は150日以降に有意な粗さの上昇を認め,同時にΔEの上昇を認めた.常温重合型リライン材は120日以降で有意に粗さが上昇し,ΔEも大幅に上昇した.接触角は浸漬による著明な変化を認めなかった.
レーザー顕微鏡やSEM画像からポリマーの脱離とマトリックスの減少が観察され,粗さの変化に影響を与えたと考えられる. 色調変化と粗さは同時期に有意に上昇しており,マトリックス減少に起因するポリマー色の反映や,粗さ上昇による光の反射の変化などが起きた可能性が考えられる.
不適合な義歯に対するリラインは新義歯製作に比べて来院回数が少なく患者の負担軽減ができる.一方で,長期使用により表面が劣化したリライン材も散見される.軟質リライン材や人工歯の経年劣化に関する報告は存在するが,硬質リライン材,特に近年臨床応用されている光重合型リライン材の報告は不足している.本研究では,口腔内での長期間の使用を想定し,光重合型リライン材の劣化による表面特性の経時的な変化を評価した.
【方法】
実験には,光重合型リライン材(ヒカリライナー, トクヤマデンタル),常温重合型リライン材(トクヤマリベースⅢ, トクヤマデンタル),加熱重合型義歯床用ポリメチルメタクリレート(PMMA)(アクロン, GC)の3種類を用いた.試料は各材料10個ずつ製作し,#1500の耐水研磨紙で研磨した.各試料は37℃の人工唾液中に180日間浸漬した.
試料の表面特性は,表面粗さ(Sa)(LEXT OLS4000,Olympus),色調変化(ΔE)(Crystaleye, Olympus),接触角 (DM-301, 協和界面化学)を測定した. 浸漬180日後までの表面特性を浸漬0日と比較した.また,走査型電子顕微鏡(SEM)(JSM-7900F, JEOL)で試料表面の観察を行った.
統計解析は,Kruskal-Wallis検定およびペアごとの比較を用い,多重比較の際はBonferroni補正を行った(α=0.05).
【結果と考察】
光重合型リライン材は150日以降に有意な粗さの上昇を認め,同時にΔEの上昇を認めた.常温重合型リライン材は120日以降で有意に粗さが上昇し,ΔEも大幅に上昇した.接触角は浸漬による著明な変化を認めなかった.
レーザー顕微鏡やSEM画像からポリマーの脱離とマトリックスの減少が観察され,粗さの変化に影響を与えたと考えられる. 色調変化と粗さは同時期に有意に上昇しており,マトリックス減少に起因するポリマー色の反映や,粗さ上昇による光の反射の変化などが起きた可能性が考えられる.