講演情報
[P-66]口腔筋機能療法が大脳皮質の興奮性に与える影響ー睡眠時無呼吸症治療の可能性
*有馬 太郎1、密 東祥2、水野 麻梨子1、黒嶋 伸一郎1 (1. 北海道大学大学院歯学研究院、2. 苏州卫生职业技术学院)
【目的】
臨床では口腔筋機能療法(舌運動練習)が閉塞性睡眠時無呼吸症治療に効果があるとされているが,科学的な支持は未だ得られていない1), 2).本研究は大脳皮質舌運動野の興奮性の変化をみることにより,口腔筋機能療法(舌運動練習)の効果を評価する.
【方法】
22名(平均24.1 ± 3.1 歳)の健常者が本研究に参加,呼吸練習(BT),舌運動練習(TT),コントロール(CT,何もしない)の3トレーニングセッションをクロスオーバーデザインのもと,実施した.被験者ごとに3セッションの順番はランダム化された.BT,TT,CTの効果は大脳皮質の舌運動野に経頭蓋磁気刺激(TMS)を与えることによって得られる運動誘発電位(MEP)を,各セッション前後に測定し,比較することによって評価された.
【結果と考察】
TTのみ有意に高強度(μV:P < 0.001)で高容量(μV x cm2:P < 0.001)のMEPと関連があったが,BTとCTでは,それはみられなかった(P > 0.050).本研究結果より,本研究で用いた口腔筋機能療法(舌運動練習)によりNeuroplasticity(神経可塑性)が惹起されたことが確認された.これは口腔筋機能療法(舌運動練習)が閉塞性睡眠時無呼吸治療に効果がある可能性が残されていることを示唆している.今後はこの口腔筋機能療法(舌運動練習)の種類やトレーニング持続時間や強度がNeuroplasticity(神経可塑性)の発現時間や持続力,強度に与える影響を調査していくことが有用であろう.
【参考文献】
1) Gruenberg E, Cooper J, Zamora T et al. Beyond CPAP: modifying upper airway output for the treatment of OSA. Front Neurol 2023;14:01-10.
2) C.M. de Felicio, F.V. da Silva Dias, L.V.V. Trawitzki. Obstructive sleep apnea: focus on myofunctional therapy, Nat Sci Sleep 2018;10:271-286.
臨床では口腔筋機能療法(舌運動練習)が閉塞性睡眠時無呼吸症治療に効果があるとされているが,科学的な支持は未だ得られていない1), 2).本研究は大脳皮質舌運動野の興奮性の変化をみることにより,口腔筋機能療法(舌運動練習)の効果を評価する.
【方法】
22名(平均24.1 ± 3.1 歳)の健常者が本研究に参加,呼吸練習(BT),舌運動練習(TT),コントロール(CT,何もしない)の3トレーニングセッションをクロスオーバーデザインのもと,実施した.被験者ごとに3セッションの順番はランダム化された.BT,TT,CTの効果は大脳皮質の舌運動野に経頭蓋磁気刺激(TMS)を与えることによって得られる運動誘発電位(MEP)を,各セッション前後に測定し,比較することによって評価された.
【結果と考察】
TTのみ有意に高強度(μV:P < 0.001)で高容量(μV x cm2:P < 0.001)のMEPと関連があったが,BTとCTでは,それはみられなかった(P > 0.050).本研究結果より,本研究で用いた口腔筋機能療法(舌運動練習)によりNeuroplasticity(神経可塑性)が惹起されたことが確認された.これは口腔筋機能療法(舌運動練習)が閉塞性睡眠時無呼吸治療に効果がある可能性が残されていることを示唆している.今後はこの口腔筋機能療法(舌運動練習)の種類やトレーニング持続時間や強度がNeuroplasticity(神経可塑性)の発現時間や持続力,強度に与える影響を調査していくことが有用であろう.
【参考文献】
1) Gruenberg E, Cooper J, Zamora T et al. Beyond CPAP: modifying upper airway output for the treatment of OSA. Front Neurol 2023;14:01-10.
2) C.M. de Felicio, F.V. da Silva Dias, L.V.V. Trawitzki. Obstructive sleep apnea: focus on myofunctional therapy, Nat Sci Sleep 2018;10:271-286.