講演情報

[CC-1]可撤性義歯による咬合再構成とリッジドサポートによる機能・審美回復の実践

*早川 順満1、*藤田 良磨2 (1. 西関東支部、2. 東北・北海道支部)
PDFダウンロードPDFダウンロード

キーワード:

GoA描記による顎位診断、咬合圧下での機能印象、ミリング設計によるリジッドサポート

アクティブシニアに高い満足度を得る補綴治療には,残存口腔機能の評価に基づく顎機能診査,安定した顎位の確立,精密な義歯設計を総合的に行い,口腔機能の回復へつなげることが求められる.本症例は74歳女性で,下顎の高度顎堤吸収と顎位不安定による咀嚼障害があり,上下義歯の動揺や審美的不満からQOLの低下を認めた.まず治療用義歯を製作し,機能面ならびに審美面の改善と顎位の再評価を行った.製作過程ではGoA描記を用い,客観的かつ再現性の高い顎位診断により安定した顎位にて咬合再構成を行った.適応の得られた治療用義歯からコピーデンチャーを製作し,咬合圧下での機能印象を行うことで,高度に吸収した下顎顎堤の荷重時の挙動と,上顎全部床義歯との機能的咬合関係を精密に記録した.最終補綴では下顎にミリングデンチャーを適用し,ガイドプレーンやミリング角度を技工士と検討してリジッドサポートを高めた.最終補綴物装着後は義歯の動揺が著明に減少し,咀嚼効率・発音・審美性が改善して口腔機能の回復に寄与した.さらに治療後には,食事会や旅行,長年の趣味である好きなアーティストの全国ツアーへ積極的に参加できるほど活動性が向上し,患者はQOLの大幅な改善を実感した.本発表では,治療用義歯製作においてのGoA描記による顎位診断と咬合再構成,咬合圧による機能印象,最終補綴物のミリング設計までの治療過程とその結果を示し,歯科医師歯科技工士連携によるアクティブシニアに向けた補綴治療の意義と口腔機能回復について考察する.なお,患者より発表の同意を得た.