講演情報

[ES6-4]イブニングセッション6

*藤本 けい子1 (1. 徳島大学大学院医歯薬学研究部口腔顎顔面補綴学分野)
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高齢者の残存歯数は増加し,部分床義歯を含む補綴装置の形態は複雑化しています.一方で,加齢とともに身体機能や認知機能は低下し,口腔衛生環境の維持は困難となります.特に義歯はプラークの温床となりやすく,局所感染のみならず全身へ影響を及ぼす可能性が指摘されていることから,デンチャープラークコントロールは補綴歯科領域における重要課題です.しかし,口腔衛生状態の評価と義歯ケアは必ずしも体系的に整理されていません.
口腔衛生状態の評価法には,歯面へのプラーク付着量や舌苔付着度などの視診に基づく指標や,培養法,細菌数測定装置による客観的指標がありますが,細菌のみを対象とした評価では食物残渣を含めた総合的な口腔内汚染を十分に反映しているとは言えません.高齢者では義歯装着率が高いため,口腔衛生の評価には義歯の清掃状態を含めることが重要ですが,義歯の衛生状態を客観的に評価する方法は十分に確立されていません.
当教室ではATP拭き取り検査に着目し,有機物量を相対発光量(RLU)として定量化することで,義歯を含む口腔内清潔度の客観評価を試みてきました。本法は迅速かつ簡便でダイナミックレンジが広く,短時間で測定可能であることから,訪問診療や高齢者施設においても有用です.義歯の汚れや清掃介入前後の変化を定量化できるため,今後有効な口腔衛生状態の評価法となる可能性があります.
本講演では,口腔衛生状態および義歯の衛生状態評価の現状を整理した上で,義歯を含めた口腔衛生状態不良の評価と介入のあり方について考察します.