講演情報
[O5-1]インプラント周囲炎治療における電気細菌学的殺菌法の応用
*毛 雪竹1、下岸 将博1、島袋 将弥2、丸川 恵理子1 (1. 東京科学大学大学院医歯学総合研究科 口腔再生再建学分野、2. 東京科学大学総合研究院 無機生体材料学分野)
【目的】
インプラント周囲炎に対する治療法としては機械的掻爬,レーザー照射,光線力学的療法,抗菌薬の局所または全身投与といった手法が提唱されている.しかしながら,いずれの治療法も第一選択とすべきエビデンスが担保されているものはなく,現在の傾向としては複数の手法を併用した治療が行われているのが実情である.そこで演者らは近年開発された電気細菌学に基づく電気化学的殺菌法に着目し,導電性材料であるインプラント体を電極として機能させることで殺菌・除染効果を得る新規治療法の可能性を模索することを目的として本研究を行った.
【方法】
直径4.0mm,長さ9.0mmの純チタンチューブをEscherichia coliまたはPorphyromonas gingivalisの培養液中でそれぞれ24時間培養し, チューブ表面にバイオフィルムを形成させた.各菌種についてチューブ表面へのバイオフィルム形成後に10分間または30分間電位を印加した.さらにP.gingivalisでは印加電位を0 V(対照群),−1.0 V,−2.0 Vの3条件とした.印加後にチューブ表面から細菌を回収し,コロニー形成単位を測定し殺菌効果を評価した.
【結果と考察】
E.coli では10分間印加した条件と比較して,30分間電位を印加した条件において生菌数の減少が大きかった.一方,P.gingivalis では10分および30分のいずれの作用時間においても印加電位の増加に伴い生菌数の減少が認められた.特に10分間電位を印加した条件では生菌数の有意な減少が認められ(p<0.05),短時間の処理で高い殺菌効果が得られることが示唆された.本研究で用いた電気細菌学に基づく電気化学的殺菌法はインプラント体そのものを電極として利用できる点に特徴があり,インプラント表面に対して安定した殺菌・除染効果を発揮し得る新規治療法として期待される.今後は本手法の有効性および安全性について,実験動物モデルを用いるなどさらなる検証を行う必要がある.
インプラント周囲炎に対する治療法としては機械的掻爬,レーザー照射,光線力学的療法,抗菌薬の局所または全身投与といった手法が提唱されている.しかしながら,いずれの治療法も第一選択とすべきエビデンスが担保されているものはなく,現在の傾向としては複数の手法を併用した治療が行われているのが実情である.そこで演者らは近年開発された電気細菌学に基づく電気化学的殺菌法に着目し,導電性材料であるインプラント体を電極として機能させることで殺菌・除染効果を得る新規治療法の可能性を模索することを目的として本研究を行った.
【方法】
直径4.0mm,長さ9.0mmの純チタンチューブをEscherichia coliまたはPorphyromonas gingivalisの培養液中でそれぞれ24時間培養し, チューブ表面にバイオフィルムを形成させた.各菌種についてチューブ表面へのバイオフィルム形成後に10分間または30分間電位を印加した.さらにP.gingivalisでは印加電位を0 V(対照群),−1.0 V,−2.0 Vの3条件とした.印加後にチューブ表面から細菌を回収し,コロニー形成単位を測定し殺菌効果を評価した.
【結果と考察】
E.coli では10分間印加した条件と比較して,30分間電位を印加した条件において生菌数の減少が大きかった.一方,P.gingivalis では10分および30分のいずれの作用時間においても印加電位の増加に伴い生菌数の減少が認められた.特に10分間電位を印加した条件では生菌数の有意な減少が認められ(p<0.05),短時間の処理で高い殺菌効果が得られることが示唆された.本研究で用いた電気細菌学に基づく電気化学的殺菌法はインプラント体そのものを電極として利用できる点に特徴があり,インプラント表面に対して安定した殺菌・除染効果を発揮し得る新規治療法として期待される.今後は本手法の有効性および安全性について,実験動物モデルを用いるなどさらなる検証を行う必要がある.
