講演情報
[O5-3]IL-1R2の抗炎症効果メカニズムの解明
*加藤 勲1、今岡 紗耶2、大山 哲生1、秋田 大輔1、伊藤 顕治1、井上 陣1、鈴木 綾奈1,3、田邊 和1,3、壹岐 俊之1、宇美 隆生1、岡田 信夫1、福田 稔1、松津 雅道1、三井 安治1、萩原 芳幸1 (1. 日本大学 歯学部 歯科補綴学第Ⅱ講座、2. 日本大学 歯学部 解剖学第Ⅱ講座、3. 日本大学大学院歯学研究科歯学専攻 応用口腔科学分野)
【目的】
歯の喪失の原因となる歯周炎は代表的な炎症性疾患であり,Interleukin-1 (IL-1) は歯周炎の発症および進行に重要な役割を果たしていることが知られている.IL-1の受容体としてはInterleukin-1 receptor type 2 (IL-1R2) があり,IL-1R2は,炎症を抑制するデコイ受容体として働く.IL-1R2には膜結合型と,可溶型の存在が報告されているが,その構造の違いがIL-1β応答の抑制効率に与える影響は十分に解明されていない1).本研究では,IL-1R2の構造変異体が炎症反応抑制に及ぼす影響を検討した.
【方法】
HeLa細胞とHeLa細胞から内在性IL-1R2を欠失させたR2-6,R2-14細胞を用いた.野生型IL-1R2 (WT) およびWTから細胞膜貫通領域のみを欠失させた変異体 (ΔTM) と細胞膜貫通領域および細胞質領域の双方を欠失させた変異体 (ΔTMCP) を各種細胞にtransfectionし,各IL-1R2の細胞外分泌効率やIL-1β刺激によるIL-8産生量をELISA法にて測定し,評価した.また,IL-1αとIL-1R2の結合をwestern blotting and immunoprecipitation (IP-WB) により確認した.
【結果と考察】
IL-1R2の細胞外分泌効率は,WTと比較しΔTM,ΔTMCPは高く,IL-1αの細胞外放出抑制能ではWT,ΔTM,ΔTMCPいずれにおいても細胞外放出抑制効果を示した.IL-1β刺激に伴うIL-8産生抑制能では,ΔTMおよびΔTMCPがWTより高い抑制効果を示した.IP-WBによるIL-1αとの相互作用解析ではWTにおいてのみ細胞内での結合が確認された.以上の結果から,細胞膜貫通領域はIL-1R2の細胞外への放出に関与している可能性が示唆され,可溶性IL-1R2はIL-1αの細胞外分泌を抑制するだけでなく,WTよりも高いIL-8産生抑制効果を示すが,IP-WBでIL-1αとの相互作用が見られないことから,一過性の相互作用か,検出可能な複合体を形成できない可能性が示唆された.
【参考文献】
1) Peters VA et al. IL-1 receptor 2 (IL-1R2) and its role in immune regulation. Brain Behav Immun. 2013; 32: 1-8
歯の喪失の原因となる歯周炎は代表的な炎症性疾患であり,Interleukin-1 (IL-1) は歯周炎の発症および進行に重要な役割を果たしていることが知られている.IL-1の受容体としてはInterleukin-1 receptor type 2 (IL-1R2) があり,IL-1R2は,炎症を抑制するデコイ受容体として働く.IL-1R2には膜結合型と,可溶型の存在が報告されているが,その構造の違いがIL-1β応答の抑制効率に与える影響は十分に解明されていない1).本研究では,IL-1R2の構造変異体が炎症反応抑制に及ぼす影響を検討した.
【方法】
HeLa細胞とHeLa細胞から内在性IL-1R2を欠失させたR2-6,R2-14細胞を用いた.野生型IL-1R2 (WT) およびWTから細胞膜貫通領域のみを欠失させた変異体 (ΔTM) と細胞膜貫通領域および細胞質領域の双方を欠失させた変異体 (ΔTMCP) を各種細胞にtransfectionし,各IL-1R2の細胞外分泌効率やIL-1β刺激によるIL-8産生量をELISA法にて測定し,評価した.また,IL-1αとIL-1R2の結合をwestern blotting and immunoprecipitation (IP-WB) により確認した.
【結果と考察】
IL-1R2の細胞外分泌効率は,WTと比較しΔTM,ΔTMCPは高く,IL-1αの細胞外放出抑制能ではWT,ΔTM,ΔTMCPいずれにおいても細胞外放出抑制効果を示した.IL-1β刺激に伴うIL-8産生抑制能では,ΔTMおよびΔTMCPがWTより高い抑制効果を示した.IP-WBによるIL-1αとの相互作用解析ではWTにおいてのみ細胞内での結合が確認された.以上の結果から,細胞膜貫通領域はIL-1R2の細胞外への放出に関与している可能性が示唆され,可溶性IL-1R2はIL-1αの細胞外分泌を抑制するだけでなく,WTよりも高いIL-8産生抑制効果を示すが,IP-WBでIL-1αとの相互作用が見られないことから,一過性の相互作用か,検出可能な複合体を形成できない可能性が示唆された.
【参考文献】
1) Peters VA et al. IL-1 receptor 2 (IL-1R2) and its role in immune regulation. Brain Behav Immun. 2013; 32: 1-8
