講演情報

[P-104]テルダーミスのラット口蓋粘膜における軟組織増生効果の検討

*黒木 梨央南1、高橋 良1、熱田 生1,2 (1. 九州大学大学院歯学研究院口腔機能修復学講座クラウンブリッジ補綴学分野、2. 九州大学大学院歯学研究院歯科先端医療評価・開発学講座)
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【目的】
 歯肉のボリューム不足に対して,自家結合組織移植(CTG)が汎用されてきた1)が,ドナー部位の侵襲や術後疼痛など患者負担が大きく,患者QOL低下の要因となっている.本研究では,歯科で臨床応用されている2)コラーゲン使用人工真皮であるテルダーミス®をCTGの代替材料として応用可能か検討することを目的とした.
【方法】
 7週齢雄性Wistar系ラットの上顎右側臼歯部口蓋粘膜を剥離後,(1)テルダーミス群,(2)サイトランス群,(3)自家結合組織移植群,(4)フラップのみ群の4群に材料を填入し縫合は行わず自然閉創とした.術後3日,7日,14日に屠殺し材料を含む口蓋組織を採取した.試料は固定,脱灰後凍結包埋し,HE染色により軟組織ボリューム,炎症反応,材料残存の有無を評価した.さらにGFPラットを用い,蛍光シグナル分布から宿主細胞侵入および組織置換率を評価した.
【結果と考察】
 14日後,テルダーミス群およびサイトランス群では一定のボリューム形成と軽度の炎症反応が認められた.一方自家結合組織移植群では移植組織の吸収に伴う沈下傾向が観察された.GFPラットにおける蛍光観察ではサイトランス群で最も低い組織置換が示唆された.材料間で吸収性および組織統合性に差が認められ,今後は長期経過の評価が必要と考えられた.結論としてテルダーミスはラット口蓋粘膜においてCTGの代替材料として一定の有用性が示唆され,低侵襲な歯肉増生法として臨床応用の可能性を有すると考えられた.
【参考文献】
1)Vallecillo C, Toledano-Osorio M, Vallecillo-Rivas M, et al. Collagen Matrix vs Autogenous Connective Tissue Graft for Soft Tissue Augmentation: A Systematic Review and Meta-Analysis. Polymers (Basel). 2021 May 31;13(11):1810.
2)Chen C-M, Yang C-F, Huang I-Y, et al. Clinical evaluation of a new bilayer artificial dermis for repair of oral mucosal defects: Report of two cases. Kaohsiung J Med Sci. 2004;20(10):516–520.