講演情報

[P-114]閉塞性睡眠時無呼吸リスクの有無による顎口腔機能および顎下部筋硬度の比較

*槙原 絵理1、葛山 平1、李 宙垣1、羅 致尭1、渡辺 崇文1、大楠 弘通1、八木 まゆみ1、有田 正博1、鱒見 進一1 (1. 九州歯科大学 顎口腔欠損再構築学分野)
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【目的】
 閉塞性睡眠時無呼吸症(Obstructive Sleep Apnea: OSA)患者の最大舌圧は健常者と比較して有意に低い.舌圧の低下は嚥下に関わる口腔周囲筋の活動性の低下が関係していると考えられるが,睡眠中の上気道開存性にも問題が生じている可能性が高いと考えた.今回はOSA予備群と非予備群における口唇閉鎖力,舌圧および顎下部筋硬度について比較した.
【方法】
 参加者は九州歯科大学歯学部学生70名とした.除外基準は矯正治療中のもの,30歳以上のものとした.本研究は九州歯科大学倫理委員会の承認を受けて実施した.全対象者のcricomental spaceを測定し,1.5cm未満の者をOSA予備群(予備群),1.5cm以上のものを非OSA予備群(非予備群)に分類した.口唇閉鎖力は口唇閉鎖力測定器(りっぷるくん,松風,京都)を用いて3回測定し,その最大値を最大口唇閉鎖力とした.また,舌圧測定器(TPM-02,JMS,広島)を用いて嚥下時,最大舌圧を測定し,3回平均値を嚥下時舌圧,3回最大値を最大舌圧とした.さらに,安静時,嚥下時,最大舌圧発生時の顎下部筋硬度を押し込み型筋硬度計(TDM-NA1,佐藤商事,川崎)を用いて測定した.なお,両群間の比較検討にはunpaired t-test,Wilcoxon rank sum testを用い,有意水準はp<0.05とした.
【結果と考察】
 BMIは予備群が有意に高くなった(p=0.0052).最大口唇閉鎖力は両群間に有意差は認められなかった.安静時筋硬度は予備群が有意に高かったが(p=0.0049),嚥下時および最大舌圧発生時筋硬度は両群間に有意差は認めなかった.嚥下時舌圧,最大舌圧は両群間に有意差は認められなかった.これまでに嚥下障害を有する患者の口腔機能が健常者と比較して低いことは知られているが,睡眠中に上気道閉塞が生じるOSAでも,口腔機能を発揮する際に働く筋群の筋力低下が生じている可能性がある.今回の参加者は20歳代と若く,単純な側貌の特徴と口腔機能低下との関連性は認められなかったが,体重増加と安静時筋硬度には関連性があることが示唆された.