講演情報

[P-116]臼歯部コンタクトロスと食片圧入・喫煙歴・歯肉炎との関連

*森田 晃司1、香川 和子1,2、横井 美有希3、里見 圭一4、吉賀 ちひろ1、若松 海燕1、加藤 真康1、土井 一矢1、安部倉 仁1、津賀 一弘1 (1. 広島大学大学院医系科学研究科先端歯科補綴学研究室、2. 広島県立総合リハビリテーションセンター、3. 藤田医科大学医学部歯科・口腔外科学講座口腔外科部門、4. 中国・四国支部)
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【目的】
 隣接面接触の開大(コンタクトロス)は食片圧入や歯周炎と関連する可能性があるが1),臼歯部における重症コンタクトロスと臨床所見の関連は十分に明確ではない.本研究では,臼歯部コンタクトロスの重症度をアウトカムとし,食片圧入,喫煙歴,歯肉炎などの臨床所見との関連を単変量解析で評価した.
【方法】
 臼歯部の隣接面接触を測定した23症例を対象とした.接触状態は測定値に基づきGreen(50–<110 µm),Yellow(110–<150 µm),Red(≥150 µm)の3群に分類した.同一症例内に複数歯がある場合は最大値(最重度)を症例代表値とした.主アウトカムはRedとし,説明変数は食片圧入,喫煙歴(過去/現在),歯肉炎,歯周ポケット深さ(PD)4mm以上,咬合力,ペリオテスト値,口腔湿潤度とした.二値変数はフィッシャーの正確検定でORを算出し,連続変数はMann–Whitney U検定で比較した.さらに重症度(Green→Yellow→Redの順序尺度)との関連をSpearman順位相関で検討した(有意水準5%).本研究は広島大学疫学研究倫理審査委員会の承認(E2021-2753)を得て実施し,全対象者から研究参加および学会発表に関する文書同意を取得した.
【結果と考察】
 Green12例,Yellow8例,Red3例であった.Redと食片圧入は有意に関連し(OR=38.0, p=0.034)(表1),食片圧入ありのRed率は66.7%(2/3),なしは5.0%(1/20)であった.喫煙歴あり(過去/現在)は関連傾向を示した(OR=18.0, p=0.067).歯肉炎はOR=11.3(p=0.107)であった.PD4mm以上,咬合力,ペリオテスト値,口腔湿潤度は明確な関連を示さなかった.順序尺度としては食片圧入が有意な相関を示した(ρ=0.528, p=0.0096).臼歯部の重症コンタクトロスは食片圧入と強く関連し,喫煙歴および歯肉炎の関与も示唆された.
【参考文献】1) Truong VM, Kim S, Yi YJ, et al. Food Impaction in Dentistry: Revisited. Oral Health Prev Dent. 2023;21:229–242.