講演情報

[P-119]プロソディがオーラルディアドコキネシスの速度と安定性に及ぼす影響

*野口 奈保子1、五十嵐 憲太郎1、樽川 禅1、金本 成一2、大川 孝博2、片山 絵里加1、齋藤 由貴1、小出 恭代1、伊藤 誠康1 (1. 日本大学松戸歯学部 有床義歯補綴学講座、2. 日本大学大学院松戸歯学研究科 有床義歯補綴学)
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【目的】
 口腔機能低下症の評価の1つにオーラルディアドコキネシス(ODK)があり,臨床では1秒あたりの発音回数(速度)が主な評価指標となっている1)。一方,速度のみの評価では,運動の滑らかさやリズムの安定性といった質を十分に捉えきれない可能性がある2)。本研究は,プロソディの要素を付与したODKが,構音の速度および安定性に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。
【方法】
 対象は健常成人20名とした。/pa/,/ta/,/ka/の単音節および/pataka/の複合音節の課題音について,最大速度での発音(N法)と、3音節の初めに強勢を置くリズムを付与した発音(P法)の2条件で発音させた。発音速度(syllables/s)と音節持続時間の変動係数(CV)について,Wilcoxonの符号付順位検定を用いて比較検討した(日本大学松戸歯学部倫理審査委員会承認:EC25-0002)。
【結果と考察】
 全ての発音において,P法はN法と比較し有意に速度が低下した(p<0.05)。CVは、単音節ではP法で有意に増大したが(p<0.05),複合音節では有意差を認めなかった。プロソディの付与は,構音運動制御に対する負荷として作用し,単音節反復において安定性を低下させる一方,複合音節ではリズムが複雑な運動連鎖のガイドとして機能した可能性が示唆された。速度に加えて発音時の安定性を評価することは、舌口唇運動機能を多面的に捉える有用な指標となることが示された。
【参考文献】
1) Minakuchi S, Tsuga K, Ikebe K et al. Oral hypofunction in the older population: Positionpaper of the Japanese Society of Gerodontology in 2016. Gerodontology 2018;35:317-324.
2) Kleinow J, Smith A. Influences of length and syntactic complexity on the speech motorstability of the fluent speech of adults who stutter. J Speech Lang Hear Res 2000;43:548-559.