講演情報

[P-120]習慣性咀嚼側および非習慣性咀嚼側における咀嚼能力,咬合力および咬合接触面積とSpee彎曲との関係

*鈴木 達大1、浅沼 直樹1、渡會 侑子1,2、川名 桃香2、永田 琴乃2、新妻 智憲2、水橋 史1,2 (1. 日本歯科大学新潟生命歯学部 歯科補綴学第1講座、2. 日本歯科大学大学院 新潟生命歯学研究科 機能性咬合治療学)
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【目的】
 ヒトの咀嚼は咀嚼筋などが連携し,食物と唾液を混和させて食塊の形成をしている.咀嚼能力には,咬断能力,粉砕能力および混合能力があり,これまで咀嚼側における咀嚼能力の評価が行われてきたが,咀嚼側における咀嚼能力とSpee彎曲の深さとの関係は明らかにされていない.そこで,本研究は咀嚼側における咀嚼能力,咬合力および咬合接触面積とSpee彎曲の深さとの関係を検討した.
【方法】
 対象者は歯科矯正治療歴がない大臼歯関係Ⅰ級の健常有歯顎の男性8名(平均年齢25.5 ± 2.2歳)とした.なお,本研究は日本歯科大学新潟生命歯学部倫理審査委員会の承認を得て対象者に同意を得て行った.測定は,咬断能力,混合能力,咬合力,咬合接触面積およびSpee彎曲の深さについて行った.咬断能力はグミゼリーを用いて,混合能力は色変わりガムを用いて測定を行った.咬合力および咬合接触面積の測定は感圧フィルムを用いた.Spee彎曲の深さの測定は口腔内スキャナーを用いて下顎歯列のスキャンを行い,3D検査ソフトウェア上で下顎犬歯尖頭から第二大臼歯遠心頰側咬頭頂を結ぶ線を基準線とし,基準線から下顎第一小臼歯頰側咬頭頂,第二小臼歯頰側咬頭頂,第一大臼歯近心頰側咬頭頂および第二大臼歯近心頰側咬頭頂に垂線を下ろし,左右側それぞれの最も深い垂直距離をSpee彎曲の深さの値とした.統計解析は習慣性咀嚼側および非習慣性咀嚼側における咬断能力,混合能力,咬合力および咬合接触面積とSpee彎曲の深さとの関係をPearsonの相関係数およびSpearmanの順位相関係数で求めた.
【結果と考察】
 習慣性咀嚼側における混合能力とSpee彎曲の深さとの間に強い負の相関を認め(r = -0.72, p < 0.05),咬合接触面積とSpee彎曲の深さとの間に強い負の相関を認めた(r = -0.71, p < 0.05).咬合彎曲が平坦な者ほど,食品を混ぜ合わせる能力が高いことが報告されている.習慣性咀嚼側では反対側と比べ咬耗が顕著であり,Spee彎曲が平坦である者は,食物を咬断および混合する範囲が大きく,習慣性咀嚼側で効率的な咀嚼を行うことができると考えられた.本研究の結果,混合能力および咬合接触面積とSpee彎曲の深さとの関係があることが明らかとなった.