講演情報

[P-122]閉塞性睡眠時無呼吸における口腔内装置治療効果予測を可視化した臨床予測チャートの開発

*石山 裕之1,2、石原 直樹3,4、秀島 雅之4、笛木 賢治1 (1. 東京科学大学 大学院医歯学総合研究科 咬合機能健康科学分野、2. 東京科学大学病院 快眠歯科(いびき・無呼吸)外来、3. 大泉生協病院 歯科、4. 東京科学大学 大学院医歯学総合研究科 総合診療歯科学分野)
PDFダウンロードPDFダウンロード
【目的】[改行]
閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)に対する口腔内装置(OA)治療効果の予測には侵襲的検査や複雑な評価を要する方法が多く、臨床で即時に利用することが難しい1。本研究では、初診時の簡便な臨床情報のみを用いて適用可能なOA治療効果予測モデルを構築し、予測確率を可視化した臨床予測チャートの作成を目的とした。
【方法】[改行]
2012年10月~2023年12月にOSAと診断され(AHIまたはREI≧10)、当院快眠歯科外来でOA治療を受けた成人患者を対象とした後ろ向き研究を行った。治療後AHI/REI<10かつ治療前から50%以上改善した場合を治療成功と定義した。予測因子候補として性別、年齢、BMI、飲酒・喫煙習慣、Mallampati分類、下顎前方可動量、治療前AHI/REIを設定し、多変量ロジスティック回帰分析によりモデルを構築した。欠測値は多重代入法で補完し、予測確率を色分けした臨床予測チャートを作成した。モデル性能は判別能と較正能で評価した。
【結果と考察】 [改行]
1371例中、438例(平均年齢57.8±11.9歳、男性率69%、治療前AHI/REI 21.0±9.1)を解析した。最終モデルは性別・年齢・BMI・Mallampati分類の4因子で構成され、中等度の識別能(C統計量0.677、95%CI 0.627–0.727)と良好な較正(Hosmer–Lemeshow P=0.476)を示した。予測チャートにより、例として「65歳女性・Mallampati分類Class I」では肥満で59%、非肥満で77%と治療反応確率を定量的に提示でき、OA適応判断や患者説明に有用であった。本モデルは、侵襲的検査や特別な機器を要さず、初診時情報のみで治療効果を示せるため、OA治療の適否およびCPAP療法適用例への意思決定支援に寄与すると考えられる。
【参考文献】 [改行]
1. Sutherland K, Takaya H, Qian J, et al. Oral Appliance Treatment Response and Polysomnographic Phenotypes of Obstructive Sleep Apnea. J Clin Sleep Med. 11:861-8, 2015.