講演情報
[P-125]口腔機能は歯周組織状態より全身的なフレイルを反映するか
*枡富 健二1、枡富 由佳子1、後藤 崇晴2、市川 哲雄1,2、渡邉 恵2 (1. 中国・四国支部、2. 徳島大学大学院医歯薬学研究部顎顔面補綴学分野)
【目的】
近年,口腔の健康状態が全身の健康,とりわけ身体的フレイルの発症や進行に影響を及ぼすことが示されている.過去には,歯周病に代表される炎症性疾患よりも,咀嚼能力などの口腔機能の低下が身体的フレイルにより大きく関与することが報告されている.しかしながら,歯周組織状態や口腔機能の評価のすべてを客観的かつ定量的に評価した上でフレイルとの関連を検討した研究は限定的である.
本研究では,口腔機能低下および歯周組織状態を客観的,定量的に測定し,全身的フレイル指標との関連を検討し,フレイルに影響を及ぼす要因としての口腔機能および歯周組織状態の位置づけを明確化することを目的とした.
【方法】
被検者は,M歯科診療所を受診した65歳以上の10歯以上残存する患者98名とした.口腔機能低下の評価は,口腔機能低下症の評価項目である以下の7項目を測定した:口腔衛生状態(細菌カウンタ),口腔湿潤度,咬合力,舌・口唇運動機能,舌圧,咀嚼機能,嚥下機能.歯周組織状態の評価は,PCR,BOP,歯周炎症表面積(PISA)およびOrcoaを用いたPorphyromonas gingivalis検出量(株式会社オルコア,大阪)を測定した.全身的フレイルは,基本チェックリストの該当数により評価した.口腔機能低下および歯周組織状態の各項目のZスコアを算出し標準化した後,それらを統合させた口腔機能低下スコア(OF-S),歯周組織状態スコア(PS-S)を算出した.
【結果と考察】
本研究では,口腔機能低下症に該当した者は62名であった.従属変数に基本チェックリストの該当数,独立変数に口腔機能低下,歯周組織状態を設定した重回帰分析において,嚥下機能,PCR,PISAが有意な変数として選択された.同様に独立変数にOF-S,PS-Sを設定した場合,OF-Sが有意な変数として選択された.またこれらの関係を共分散構造分析にて検討した所、OF-Sから全身的フレイルへの有意なパスが認められ,そのモデルの適合は良好であった。以上の結果より,身体的フレイルには歯周炎などの局所的な炎症に加え,包括的な口腔機能低下がより影響することが示され,フレイルの予防,改善のための,歯周管理に加えた口腔機能の把握,維持,改善の重要性が示唆された.
近年,口腔の健康状態が全身の健康,とりわけ身体的フレイルの発症や進行に影響を及ぼすことが示されている.過去には,歯周病に代表される炎症性疾患よりも,咀嚼能力などの口腔機能の低下が身体的フレイルにより大きく関与することが報告されている.しかしながら,歯周組織状態や口腔機能の評価のすべてを客観的かつ定量的に評価した上でフレイルとの関連を検討した研究は限定的である.
本研究では,口腔機能低下および歯周組織状態を客観的,定量的に測定し,全身的フレイル指標との関連を検討し,フレイルに影響を及ぼす要因としての口腔機能および歯周組織状態の位置づけを明確化することを目的とした.
【方法】
被検者は,M歯科診療所を受診した65歳以上の10歯以上残存する患者98名とした.口腔機能低下の評価は,口腔機能低下症の評価項目である以下の7項目を測定した:口腔衛生状態(細菌カウンタ),口腔湿潤度,咬合力,舌・口唇運動機能,舌圧,咀嚼機能,嚥下機能.歯周組織状態の評価は,PCR,BOP,歯周炎症表面積(PISA)およびOrcoaを用いたPorphyromonas gingivalis検出量(株式会社オルコア,大阪)を測定した.全身的フレイルは,基本チェックリストの該当数により評価した.口腔機能低下および歯周組織状態の各項目のZスコアを算出し標準化した後,それらを統合させた口腔機能低下スコア(OF-S),歯周組織状態スコア(PS-S)を算出した.
【結果と考察】
本研究では,口腔機能低下症に該当した者は62名であった.従属変数に基本チェックリストの該当数,独立変数に口腔機能低下,歯周組織状態を設定した重回帰分析において,嚥下機能,PCR,PISAが有意な変数として選択された.同様に独立変数にOF-S,PS-Sを設定した場合,OF-Sが有意な変数として選択された.またこれらの関係を共分散構造分析にて検討した所、OF-Sから全身的フレイルへの有意なパスが認められ,そのモデルの適合は良好であった。以上の結果より,身体的フレイルには歯周炎などの局所的な炎症に加え,包括的な口腔機能低下がより影響することが示され,フレイルの予防,改善のための,歯周管理に加えた口腔機能の把握,維持,改善の重要性が示唆された.
