講演情報

[P-138]咬合違和感症候群患者に対する簡易ケース・フォーミュレーション票の提案と試作

*玉置 勝司1、高橋 美保2、和智 遥香2、島田 淳1、渡辺 秀司1、和気 裕之1 (1. 西関東支部、2. 東京大学大学院教育学研究科臨床心理学コース)
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【緒言】 咬合違和感症候群(Occlusal discomfort syndrome,以下ODS)患者の対応と治療は従来の生物医学的モデルではなく,生物-心理-社会的モデルから捉える必要性がある.その全人的な対応として心理学的アセスメント“ケース・フォーミュレーション”(以下,CF)による手法に着目, すでにODSⅢ型と診断した患者に対して応用し良好な結果が得られたことを報告している1.今回はこのCFを,一般歯科外来の問診の中で自然な対話形式で,短時間で済む質問項目を設定し,患者自身の回答から整理することを目的に「簡易CF票」を試作したので報告する.発表に際し患者の同意は得ている.【症例の概要・治療内容】患者は58歳,男性.主訴は左下第二小臼歯と第二大臼歯に装着したクラウンの咬合違和感と舌側縁の痛みであった.ODS患者の診断と治療のフローチャート2に従い医療面接・診察・検査を行い,一次診断としてODSとした.その後,咬合および顎関節の検査(触診,エックス線,MRI)を実施し,器質的な異常所見は認めなかった.以上から, 確定診断はODS Ⅲ型(原因が特定できない)とし,CFの記述ステップに従い患者のCF作成,機能分析を行い対応した.【経過ならびに考察】 一般歯科臨床において,ODS患者に対するCFをより簡便にした『簡易CF票』が必要であると考え,CFの3つの評価項目である先制刺激(発症契機),反応(身体,認知,感情,行動),結果(影響)に対応する6つの問診項目にまとめた『簡易CF票』を試作した(表1).そして,そこに患者の回答をCFからシミュレーションし,問診票の可能性を確認できた.これにより心理面も含めた全人的なアセスメントを記載することが可能となり,時間的余裕がなく,スキルの少ない一般臨床家においてもその活用が期待できる.CFを作成することが目的ではなく,患者自身の解釈を理解し,患者と治療方針を導くことが重要である.
【参考文献】
1)玉置勝司,高橋美保,和智遥香,島田 淳,仲井太心,渡辺秀司ほか.咬合違和感症候群患者に対して心理学的アセスメント“ケース・フォーミュレーション”を応用し改善した1症例.神奈川歯学 2025;60:24-31.
2)和気裕之, 石垣尚一, 澁谷智明,島田 淳,玉置勝司,松香 芳三ほか.咬合違和感症候群の診療フローチャートの提案. 日顎誌2022;34:28-37.