講演情報

[P-144]3Dプリンターによるノンプレップジルコニアベニアを用いた前歯正中離開の審美修復症例

*藤井 肇基1、蕭 敬意2、片山 慶佑2、岸 輝樹2 (1. 東海支部、2. 西関東支部)
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【緒言】
 近年,口腔内スキャナー(IOS)の高精度化とデジタルワークフローの発展により,歯質削除を最小限または不要とする審美補綴治療が可能となっている。特に超薄型ジルコニアベニアは,ノンプレップでの適用が可能である一方,補綴装置の適合精度が治療成否に直結する。本症例では,前歯部正中離開に対し,3Dプリンターを用いて製作したノンプレップ・ジルコニアベニアによる審美修復を行い,その臨床経過について報告する。
【症例の概要・治療内容】
 患者は60代男性。上顎前歯部の正中離開および審美障害を主訴に来院した。歯の切削を希望しなかったため,ノンプレップ・ジルコニアベニアによる審美修復を計画した。IOSを用いて取得したSTLデータを基にCAD設計後,3Dプリンターで製作後,接着性レジンセメントを用いて装着を行い,形態および色調の改善を得た。なお,本症例の発表にあたり患者から文書による同意を取得した。本発表は教育目的の症例報告であり,特定の製品または適応外使用を推奨するものではなく,治療適応は担当医の責任において判断した。
【経過ならびに考察】
 装着後の経過は良好で,補綴物の脱離や辺縁不適合は認められず,患者の高い審美的満足が得られた。前歯部正中離開の審美修復においては,補綴装置の厚みと歯面との適合精度が重要であり,超薄型ベニアではIOSによる高解像度かつ再現性の高いSTLデータ取得が不可欠である。補綴治療においては,目的に応じたIOSの選択と,安定したデジタルワークフローの構築が治療予知性向上に寄与すると考えられた。