講演情報
[P-145]下顎の偏位と顎関節内障を伴った骨格性Ⅲ級成人症例
*森田 明子1、森田 憲司1 (1. 東京支部)
【緒言】
2017年に改変された米国の「補綴用語集(GPT:Glossary of Prosthodontic Terms)」の9th Edition2)1)では中心位の定義から関節円板の記載が除かれ、生理的・臨床的観点を重視した新たな定義が示された。この定義は2023年の第10版2)でも変更されておらず、顎関節症を有する矯正希望患者においては、治療ゴールや顎位設定においてこの定義を考慮する必要がある。
【症例の概要・治療内容】
主訴は前歯の接触による咬合の違和感とうけ口の改善。右側顎関節に雑音を伴う顎関節症状と、左方への下顎偏位を認めた。MRIでは右側関節円板の回転性前外方転位を確認した。
【経過ならびに考察】
スタビライゼーションアプライアンスと行動変容により顎位の変化を得た。下顎のクロックワイズな回転により骨格性Ⅲ級が改善し、FMAは27.0°から28.0°、SN-MPは36.0°から37.0°へと変化した。歯科矯正用アンカースクリューで下顎歯列を遠心移動し、臼歯・犬歯関係と前歯被蓋を改善した。偏位は拡大床やバイトプレート等で修正し、上顎前歯の不調和は補綴処置で対応した。歯周治療に時間を要したが、適切な顎位での矯正により炎症と力のコントロールが可能となり、19年経過後も良好な状態を維持しており舌位や気道も改善し、現在も安定している。成人症例では多因子が絡むため、包括的視点での治療が重要であると考える。
【参考文献】
1)The Glossary of Prosthodontic Terms: Ninth Edition, Ferro KJ ed. J Prothet Dent 2017, 117;5: e1-105. org/10.1016/j.prosdent.2016.12.001.
2)The Glossary of Prosthodontic Terms 2023: Tenth J Prothet Dent 2023, 130; 4: e1-3. doi: 10.1016/j.prosdent.2023.03.003.
2017年に改変された米国の「補綴用語集(GPT:Glossary of Prosthodontic Terms)」の9th Edition2)1)では中心位の定義から関節円板の記載が除かれ、生理的・臨床的観点を重視した新たな定義が示された。この定義は2023年の第10版2)でも変更されておらず、顎関節症を有する矯正希望患者においては、治療ゴールや顎位設定においてこの定義を考慮する必要がある。
【症例の概要・治療内容】
主訴は前歯の接触による咬合の違和感とうけ口の改善。右側顎関節に雑音を伴う顎関節症状と、左方への下顎偏位を認めた。MRIでは右側関節円板の回転性前外方転位を確認した。
【経過ならびに考察】
スタビライゼーションアプライアンスと行動変容により顎位の変化を得た。下顎のクロックワイズな回転により骨格性Ⅲ級が改善し、FMAは27.0°から28.0°、SN-MPは36.0°から37.0°へと変化した。歯科矯正用アンカースクリューで下顎歯列を遠心移動し、臼歯・犬歯関係と前歯被蓋を改善した。偏位は拡大床やバイトプレート等で修正し、上顎前歯の不調和は補綴処置で対応した。歯周治療に時間を要したが、適切な顎位での矯正により炎症と力のコントロールが可能となり、19年経過後も良好な状態を維持しており舌位や気道も改善し、現在も安定している。成人症例では多因子が絡むため、包括的視点での治療が重要であると考える。
【参考文献】
1)The Glossary of Prosthodontic Terms: Ninth Edition, Ferro KJ ed. J Prothet Dent 2017, 117;5: e1-105. org/10.1016/j.prosdent.2016.12.001.
2)The Glossary of Prosthodontic Terms 2023: Tenth J Prothet Dent 2023, 130; 4: e1-3. doi: 10.1016/j.prosdent.2023.03.003.
