講演情報
[P-159]日本における多施設睡眠時ブラキシズム臨床レジストリの構築
*奥原 志織1、安部 友佳1、秦 健斗3、加藤 隆史4,5、高場 雅之2、斎藤 未來6、石山 裕之7、鈴木 善貴8、飯田 崇9、山口 泰彦10、西山 暁11、松香 芳三8、小見山 道9、水口 一12、松山 萌美1、高岡 亮太3、黒嶋 伸一郎6、西村 正宏3、窪木 拓男13、馬場 一美2 (1. 昭和医科大学 歯学部 歯科補綴学講座 歯科補綴学部門、2. 昭和医科大学 大学院歯学研究科 歯科補綴学講座、3. 大阪大学 大学院歯学研究科 再生歯科補綴学講座、4. 大阪大学 大学院歯学研究科 口腔生理学講座、5. 大阪大学医学部附属病院 睡眠医療センター、6. 北海道大学大学院歯学研究院口腔機能学分野 冠橋義歯・インプラント再生補綴学教室、7. 東京科学大学 大学院医歯学総合研究科 咬合機能健康科学分野、8. 徳島大学 大学院医歯薬学研究部 顎機能咬合再建学分野、9. 日本大学松戸歯学部 顎口腔機能補綴学講座、10. 北海道大学歯学研究院、11. 東京科学大学 総合診療歯科学分野、12. 岡山大学病院 歯科・口腔インプラント科部門、13. 岡山大学 医歯薬学総合研究科 インプラント再生補綴学分野)
【目的】
睡眠時ブラキシズム(SB)は多因子疾患と考えられているが,その関連因子の解明を試みた従来の研究の多くは自己申告による診断に依存しており,睡眠中の筋電図(EMG)記録を含む大規模データ基盤は十分に整備されていない.本演題では,国内複数施設の協働による睡眠時ブラキシズム臨床レジストリの構築プロジェクトについて,その構築背景,構成要素,および運用体制の概要を報告する.
【方法】
2024年にUMIN INDICE Cloud上にSB臨床レジストリを構築し,国内7大学が協働し,2001年以降に18歳以上の患者および健康成人を対象に実施された夜間EMG記録を有するデータを登録した.測定方法は,音声・ビデオ併用睡眠ポリグラフ検査(PSG),簡易型PSG検査,単一チャンネルEMG検査とし,使用機器や測定条件に関する情報を含めて登録した.登録項目について,Standardised Tool for the Assessment of Bruxism(STAB)1)の枠組みを参考に,自己申告,臨床所見,測定機器情報,生活習慣,併存疾患,心理社会的因子などから選定し,利用可能な情報を収集した.各施設で匿名化されたデータをクラウド経由で登録し,既存の研究・診療記録に基づくレトロスペクティブデータと,新規に取得されるプロスペクティブデータの双方を登録可能な設計とした.さらに,同一参加者における複数回・複数夜データの追加登録にも対応し,縦断的解析を想定した構造とした.
【結果と考察】
2026年1月時点で1014症例(男性 433名,女性 581名,平均年齢 36.0±15.8歳)が登録され,音声・ビデオ併用PSG検査216症例,簡易型PSG検査 66例,単一チャンネルEMG検査 732例から構成される多様なデータが集積された.本プロジェクトにより複数施設に分散していた臨床データおよび研究データが統合され,睡眠中のEMG記録と包括的な臨床情報を一元的に管理可能な多施設SBレジストリの基盤が整備された.構築したSB臨床レジストリは,今後のデータ蓄積により,大規模解析や縦断的観察を可能とし,SBの疫学的実態把握,病態解明,表現型分類,ならびに治療戦略や予防介入の開発を支える研究基盤として重要な役割を担うことが期待される.
【文献】
1) Manfredini D, Ahlberg J, Aarab G, et al. Standardised tool for the assessment of bruxism. J Oral Rehabil. 2024;51:29–58.
睡眠時ブラキシズム(SB)は多因子疾患と考えられているが,その関連因子の解明を試みた従来の研究の多くは自己申告による診断に依存しており,睡眠中の筋電図(EMG)記録を含む大規模データ基盤は十分に整備されていない.本演題では,国内複数施設の協働による睡眠時ブラキシズム臨床レジストリの構築プロジェクトについて,その構築背景,構成要素,および運用体制の概要を報告する.
【方法】
2024年にUMIN INDICE Cloud上にSB臨床レジストリを構築し,国内7大学が協働し,2001年以降に18歳以上の患者および健康成人を対象に実施された夜間EMG記録を有するデータを登録した.測定方法は,音声・ビデオ併用睡眠ポリグラフ検査(PSG),簡易型PSG検査,単一チャンネルEMG検査とし,使用機器や測定条件に関する情報を含めて登録した.登録項目について,Standardised Tool for the Assessment of Bruxism(STAB)1)の枠組みを参考に,自己申告,臨床所見,測定機器情報,生活習慣,併存疾患,心理社会的因子などから選定し,利用可能な情報を収集した.各施設で匿名化されたデータをクラウド経由で登録し,既存の研究・診療記録に基づくレトロスペクティブデータと,新規に取得されるプロスペクティブデータの双方を登録可能な設計とした.さらに,同一参加者における複数回・複数夜データの追加登録にも対応し,縦断的解析を想定した構造とした.
【結果と考察】
2026年1月時点で1014症例(男性 433名,女性 581名,平均年齢 36.0±15.8歳)が登録され,音声・ビデオ併用PSG検査216症例,簡易型PSG検査 66例,単一チャンネルEMG検査 732例から構成される多様なデータが集積された.本プロジェクトにより複数施設に分散していた臨床データおよび研究データが統合され,睡眠中のEMG記録と包括的な臨床情報を一元的に管理可能な多施設SBレジストリの基盤が整備された.構築したSB臨床レジストリは,今後のデータ蓄積により,大規模解析や縦断的観察を可能とし,SBの疫学的実態把握,病態解明,表現型分類,ならびに治療戦略や予防介入の開発を支える研究基盤として重要な役割を担うことが期待される.
【文献】
1) Manfredini D, Ahlberg J, Aarab G, et al. Standardised tool for the assessment of bruxism. J Oral Rehabil. 2024;51:29–58.
