講演情報
[P-16]急性期病院歯科における補綴治療の必要性
*中村 大地1、横井 美有希1、松本 夕姫1、白木 優帆1、吉田 光由1 (1. 藤田医科大学医学部歯科・口腔外科学講座)
【目的】
急性期病院の歯科口腔外科は,埋伏智歯や骨折,口腔癌といった口腔外科特有の疾患への対応にあわせて,周術期や全身疾患を有する患者の口腔健康管理においても重要な役割を果たしている.ここでは,挿管時の歯の脱落予防,放射線治療や薬物療法後の薬剤関連顎骨壊死予防のために即時に抜歯をしなければならない症例にも遭遇する.これらの患者では抜歯後に咀嚼障害などの問題が生じて,補綴治療が必要となる場合もあると考えられるが,その実態についてはほとんど報告されていない.そこで今回,2025年11月の1か月間に当院の歯科を受診した患者の全数調査を行い,急性期病院歯科における補綴治療の必要性について考察した.
【方法】
電子カルテから2025年11月に歯科を受診した患者を抽出し,周術期口腔機能管理病名の有無ごとに治療内容を確認し,抜歯処置を行った患者の歯科受診経緯,主疾患,抜歯本数やその後の補綴治療内容について調査した.
【結果と考察】
2025年11月の歯科受診患者総数は671名であった.周術期口腔機能管理を行った(周術期)患者は338名(50.4%),その中で抜歯処置を実施された患者は23名(抜歯本数:平均2.2本,1-5本),周術期管理を行っていない(周管なし)患者は333名(49.6%),その中で抜歯は36名(平均4.4本,1-14本)であった.周術期患者では,挿管時の歯の脱落リスクが高い動揺歯の抜歯が主であり,義歯を使用されていた場合は人工歯追補といった暫間的治療が実施されていた.一方,周管なし患者では12名(33.4%)が5本以上の抜歯がされており,その場での義歯修理や裏装,即時義歯を含む義歯新製といった難易度が高い補綴処置が行われていた.抜歯を必要とした患者は全体の1割弱であった.これらの多くは定期的な歯科受診がなかった一方で,保存不可能な歯が経過観察とされているような症例も散見された.また,義歯が必要な欠損でありながら義歯を使用されていないためにより咀嚼障害が生じた症例もあり,普段からの口腔健康管理の重要性をあらためて再認識出来る結果となった.2人に1人ががんを発症するという今日,急性期の現場から口腔健康管理の重要性を補綴の観点からも発信していければと考えている.
急性期病院の歯科口腔外科は,埋伏智歯や骨折,口腔癌といった口腔外科特有の疾患への対応にあわせて,周術期や全身疾患を有する患者の口腔健康管理においても重要な役割を果たしている.ここでは,挿管時の歯の脱落予防,放射線治療や薬物療法後の薬剤関連顎骨壊死予防のために即時に抜歯をしなければならない症例にも遭遇する.これらの患者では抜歯後に咀嚼障害などの問題が生じて,補綴治療が必要となる場合もあると考えられるが,その実態についてはほとんど報告されていない.そこで今回,2025年11月の1か月間に当院の歯科を受診した患者の全数調査を行い,急性期病院歯科における補綴治療の必要性について考察した.
【方法】
電子カルテから2025年11月に歯科を受診した患者を抽出し,周術期口腔機能管理病名の有無ごとに治療内容を確認し,抜歯処置を行った患者の歯科受診経緯,主疾患,抜歯本数やその後の補綴治療内容について調査した.
【結果と考察】
2025年11月の歯科受診患者総数は671名であった.周術期口腔機能管理を行った(周術期)患者は338名(50.4%),その中で抜歯処置を実施された患者は23名(抜歯本数:平均2.2本,1-5本),周術期管理を行っていない(周管なし)患者は333名(49.6%),その中で抜歯は36名(平均4.4本,1-14本)であった.周術期患者では,挿管時の歯の脱落リスクが高い動揺歯の抜歯が主であり,義歯を使用されていた場合は人工歯追補といった暫間的治療が実施されていた.一方,周管なし患者では12名(33.4%)が5本以上の抜歯がされており,その場での義歯修理や裏装,即時義歯を含む義歯新製といった難易度が高い補綴処置が行われていた.抜歯を必要とした患者は全体の1割弱であった.これらの多くは定期的な歯科受診がなかった一方で,保存不可能な歯が経過観察とされているような症例も散見された.また,義歯が必要な欠損でありながら義歯を使用されていないためにより咀嚼障害が生じた症例もあり,普段からの口腔健康管理の重要性をあらためて再認識出来る結果となった.2人に1人ががんを発症するという今日,急性期の現場から口腔健康管理の重要性を補綴の観点からも発信していければと考えている.
