講演情報
[P-18]CAD/CAMを応用した調製人工歯を用いた全部床義歯製作 〜ニュートラルゾーンとの調和〜
*黒松 慎司1、岡本 貴富1、寺尾 陽一2、中村 健太郎2、鮎川 保則3 (1. 関西支部、2. 東海支部、3. 九州大学大学院歯学研究院口腔機能修復学講座インプラント・義歯補綴学分野)
【緒言】
無歯顎補綴治療の人工歯選択および排列は,義歯安定ならびに機能回復に大きく左右する大切な要素である.それゆえに上下顎の歯槽頂線を結ぶ歯槽頂間線を基準とした人工歯臼歯部の排列位置はニュートラルゾーン内に限定され,義歯の力学的平衡を保つうえで極めて重要であるとされてきた. しかしながら,既製人工歯を用いた排列ではニュートラルゾーン内に適合する人工歯の頬舌的幅径の確保が極めて困難となり,義歯の安定性や機能性に十分な結果が得られない症例も少なくない. そこで,われわれは各患者のニュートラルゾーンに適応する人工歯形態を診断用ワックスアップにて検討している1).今回は診断用ワックスアップからCAD/CAMを応用して製作した調製人工歯を用い,全部床義歯を製作した技工症例を報告する.
【症例の概要・治療内容】
患者は76歳男性.義歯を新製希望.排列されたろう義歯の頬舌側面にワックス(アルーワックス,東京歯科産業,東京,日本)および付加型シリコーンゴム印象材(ジルデフィット,松風,京都,日本)を添加し,その外形を記録するためにシリコーンコアを採得した.得られたシリコーンコアよりデンチャースペースを把握し,可能な限り充填できるサイズの臼歯部人工歯(エフセラ-P形態36,山八歯材工業,愛知,日本)を選択した. 選択した既製人工歯は支台歯形態にカットバック処理を施した後,ワックスアップにより最終形態を付与した.その後,完成したワックスアップ形態を歯科技工室設置型コンピュータ支援設計・製造ユニット(松風S-WAVEスキャナー(E2),松風,京都,日本)にてデジタルデータ化し,歯科用切削加工用レジン材料(松風ディスクHC,松風,京都,日本)を用いて歯科技工室設置型コンピュータ支援設計・製造ユニット(歯科用ミリングマシンMD-500S,松風,京都,日本)を行い,調製人工歯を製作した.
【経過ならびに考察】
義歯床へ接着した調製人工歯は,口腔内装着時に修正を必要としなかった. 患者固有のデンチャースペースに対し,CAD/CAMを応用した調製人工歯を用いることで,ニュートラルゾーンを良好に充填することが可能であると考えられた.
【参考文献】
1)黒松慎司,岡本貴富,浅井宏行ほか.物性強度に優れた常温重合レジンを応用した人工歯の臨床報告. 日補綴会誌 2021;13・130回特別号:266.
無歯顎補綴治療の人工歯選択および排列は,義歯安定ならびに機能回復に大きく左右する大切な要素である.それゆえに上下顎の歯槽頂線を結ぶ歯槽頂間線を基準とした人工歯臼歯部の排列位置はニュートラルゾーン内に限定され,義歯の力学的平衡を保つうえで極めて重要であるとされてきた. しかしながら,既製人工歯を用いた排列ではニュートラルゾーン内に適合する人工歯の頬舌的幅径の確保が極めて困難となり,義歯の安定性や機能性に十分な結果が得られない症例も少なくない. そこで,われわれは各患者のニュートラルゾーンに適応する人工歯形態を診断用ワックスアップにて検討している1).今回は診断用ワックスアップからCAD/CAMを応用して製作した調製人工歯を用い,全部床義歯を製作した技工症例を報告する.
【症例の概要・治療内容】
患者は76歳男性.義歯を新製希望.排列されたろう義歯の頬舌側面にワックス(アルーワックス,東京歯科産業,東京,日本)および付加型シリコーンゴム印象材(ジルデフィット,松風,京都,日本)を添加し,その外形を記録するためにシリコーンコアを採得した.得られたシリコーンコアよりデンチャースペースを把握し,可能な限り充填できるサイズの臼歯部人工歯(エフセラ-P形態36,山八歯材工業,愛知,日本)を選択した. 選択した既製人工歯は支台歯形態にカットバック処理を施した後,ワックスアップにより最終形態を付与した.その後,完成したワックスアップ形態を歯科技工室設置型コンピュータ支援設計・製造ユニット(松風S-WAVEスキャナー(E2),松風,京都,日本)にてデジタルデータ化し,歯科用切削加工用レジン材料(松風ディスクHC,松風,京都,日本)を用いて歯科技工室設置型コンピュータ支援設計・製造ユニット(歯科用ミリングマシンMD-500S,松風,京都,日本)を行い,調製人工歯を製作した.
【経過ならびに考察】
義歯床へ接着した調製人工歯は,口腔内装着時に修正を必要としなかった. 患者固有のデンチャースペースに対し,CAD/CAMを応用した調製人工歯を用いることで,ニュートラルゾーンを良好に充填することが可能であると考えられた.
【参考文献】
1)黒松慎司,岡本貴富,浅井宏行ほか.物性強度に優れた常温重合レジンを応用した人工歯の臨床報告. 日補綴会誌 2021;13・130回特別号:266.

