講演情報

[P-33]相同モデルを用いた年齢・性別・顎堤条件による全部床義歯の三次元的形態解析

*塩沢 真穂1、鈴木 小瑠璃2、大木 明子3、米澤 悠4、小林 琢也4、鈴木 哲也5 (1. 東京科学大学大学院 口腔医療工学分野、2. 東京科学大学歯学部口腔保健学科口腔保健工学専攻、3. 東京科学大学大学院 口腔基礎工学分野、4. 岩手医科大学大学院 歯科補綴学講座 有床義歯・口腔リハビリテーション学分野、5. 東京科学大学)
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【目的】
 デジタル技術を用いた全部床義歯の製作は試行錯誤の段階にある.本研究の目的は,下顎全部床義歯を対象に,相同モデルと主成分分析を用いて,性別,年代,顎堤条件が三次元的形態に与える影響を解析し,全部床義歯平均形態と調整因子を検討することである。
【方法】
 東京科学大学病院および岩手医科大学附属病院の義歯外来において上下顎全部床義歯を製作し,咀嚼能力が良好な患者(男性15名,女性20名,平均年齢78歳)を対象とした.性別,年代(75歳未満の前期高齢者,75歳以上の後期高齢者),顎堤条件(顎堤の高さ1):High,Middle,Low)に分類して義歯形態を検討した.Okiら2)の報告を参考に複製義歯を製作,スキャンし,三次元形状データを作成した.顎堤条件のみ大きさを調整し,相同モデルに変換して,各分類の粘膜面から見た平均形態画像を重ね合わせて形態を比較した.主成分分析を行い, Receiver Operating Characteristics曲線にてArea Under Curveが0.7以上の主成分について形態的特徴を推定した.得られた主成分得点について性別と年代はt検定,顎堤条件は一元配置分散分析後,Tukey HSD法を行い,統計学的に解析した.
【結果と考察】
 平均形態の義歯床外形線は,性別により大きさに違いが認められたものの,そのほかの条件で形態差は認められなかった(図1).本結果より,標準化された共通形態を義歯床外形線の設計に適用できることが示唆された.主成分得点は、性別(第1主成分,第5主成分),年代(第3主成分,第6主成分),顎堤条件(第5主成分)に有意差が認められた(図2).前歯部傾斜角,臼歯部床縁,前歯部切縁位置,舌小帯位置,舌側切縁の深さ,頬棚の範囲,顎堤の深さと床縁に変化が認められ,これらが形態要素の調整因子となる可能性が示された.
【参考文献】
1) 日本補綴学会床形分類 https://hotetsu.com/files/files_149.pdf
2) Oki M, Shiozawa M, Aoki S, et al. Digitally creating three-dimensional standard shapes of complete dentures by using homologous models: A pilot study. J Digit Dent. 2023; 1: 26–32.