講演情報

[P-37]全部床義歯患者における各咀嚼機能検査と口腔機能検査の関連

*戸澤 聖也1、池田 菜緒1、櫻井 智章2、堀之内 玲耶1、宮田 春香1、末廣 史雄2、山田 悠平1、西 恭宏1 (1. 鹿児島大学大学院医歯学総合研究科口腔顎顔面補綴学分野、2. 鹿児島大学病院 成人系歯科センター 義歯インプラント科)
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【目的】
 各咀嚼機能検査にはそれぞれの特徴があり,全部床義歯あるいは多数歯欠損の有床義歯においては,咀嚼時に義歯が転覆しない片側性咬合平衡が必要とされているため1),この評価となりうる片側咬合力を含めた各咀嚼機能検査と他の口腔機能検査との関連を検討することを目的とした.
【方法】
 2020年2月から2026年1月までの当科外来患者で本研究に同意した全部床義歯患者104名(77.8 ± 7.4歳)を対象とした.(鹿児島大学疫学研究等倫理委員会250134疫).咀嚼機能検査は,直接的検査としてグミゼリーでの溶出糖量計測(GC)と粉砕粒度評価,間接的検査として全顎での咬合圧計測(デンタルプレスケールⅡ,GC)と片側での咬合力計測(オクルーザルフォースメーター,モリタ)を同時に行い,それぞれの計測値をグルコセンサー値,咀嚼スコア値,プレスケール値,フォースメーター値とした.なお,フォースメーター値は,左右側の咬合力を合計した値として扱った.他の口腔機能検査は口腔機能低下症の検査に従って行った.統計は,グルコセンサー値と咀嚼スコア値は低値と高値の2群のサブグループ分析も加えて,相関分析,多変量重回帰解析を行った.
【結果と考察】
 咀嚼機能検査の相関は,グルコセンサー値と咀嚼スコア値の相関は高く(r = 0.802),咀嚼スコア値はグルコセンサー値よりもフォースメーター値との高い相関を示した(r = 0.610, p<0.01).また,各咀嚼機能検査は舌圧,嚥下機能と中等度以下の相関を示した.グルコセンサー値と咀嚼スコア値をそれぞれ従属変数として,各サブグループにおいて咀嚼機能検査と各口腔機能検査を独立変数として,年齢と性別を調整し重回帰分析を行った.その結果,グルコセンサー値は,高値群では有意に影響する検査はなく,低値群ではプレスケールのみに有意に影響されるが,咀嚼スコア値は,高値群ではサクソンテストのみが有意に影響し,低値群ではプレスケール,フォースメーター,サクソンテストに有意に影響された.全部床義歯における食品粉砕度は唾液量と片側咬合力にも影響されることが示唆された.
【参考文献】
1)Winker S, editor, Essentials of complete denture prosthodontics, Philadelphia: W.B.Saunders; 1979, 355-356.