講演情報

[P-52]新規レジンセメントにおけるCAD/CAM冠に対する接着性の評価

*石渡 健1、南澤 博人1、平野 恭佑1 (1. 株式会社ジーシーR&D)
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【目的】
 CAD/CAM冠は2014年の小臼歯保険適用開始以降、大臼歯、前歯と適用拡大が続き、今日では補綴治療に広く用いられている。臨床において強固な接着は不可欠であるが、シランカップリング材の配合されているプライマーを使用することで化学的接着を形成している。しかし、プライマー処理操作が煩雑であるため、テクニカルエラーに起因する接着不良のリスクが懸念される。そこでジーシーでは機能性モノマーの配合及びレジンマトリックスを最適化することで、プライマー処理操作を行わなくてもCAD/CAM冠に対して安定した接着性を有し、臨床操作の簡略化を可能にする新規レジンセメントを開発した。本研究では新規レジンセメントのCAD/CAM冠への接着性能を評価した。
【方法】
 新規レジンセメントASAC-02と比較対象としてジーセム ONE EM(GC)+G-マルチプライマー(GC)を使用した。被着体は、セラスマート300(GC)とし、アクリル樹脂に包埋後、表面を#600研磨し、サンドブラスト(0.15 MPa)した。シール塗布にて接着面積(Φ3 mm)とセメント厚さ(100 µm)を規定し、各セメントでステンレスロッドを化学重合で接着させ試験体とした。接着処理後、37 oC 24時間水中浸漬した群(24h)と37 oC 24時間水中浸漬後に5‐55 oCのサーマルサイクルを5000回実施した群(TC5000)を作製した。万能試験機(SHIMADZU, AGX-V)でせん断接着試験を実施した(クロスヘッドスピード1 mm/分、n = 5)。測定結果は統計解析を実施した(二元配置分散分析: Tukey-Kramer;α = 0.05)。
【結果と考察】
 新規レジンセメントASAC-02は、ジーセムONE EMのシステムと比較して統計解析の結果、有意差を認めず、同等の接着強さを示した。サーマルサイクル後も接着強さは低下することなく、高い接着耐久性を維持した。
 本結果は、機能性モノマー及びレジンマトリックスを最適化した新規レジンセメントによって、プライマー塗布工程を省略しながらも高い接着耐久性を維持することを示し、臨床操作の簡略化に寄与する可能性が示唆された。