講演情報

[P-60]未成年患者に対しRBFDPsを意思決定させる歯科衛生士のSDM任務

*犬飼 夕貴1、森 圭右1、山端 眞帆1、大川 友成1,2、高藤 雅1、中村 健太郎1,2、鮎川 保則2 (1. 東海支部、2. 九州大学大学院歯学研究院口腔機能修復学講座インプラント・義歯補綴学分野)
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【目的】  
 これまで治療に対する患者の意思決定にはインフォームドコンセントが必要不可欠とされてきた.しかしながら,説明と同意という概念から歯科医師の患者への一方向的な形式となり,患者の価値観や生活背景などが反映されないことが問題視されている.
 近年,歯科医師と患者が協働して医学的根拠と患者の価値観や希望を集約し,治療方針を確定する共同意思決定SDM(Shared Decision Making)が普及しつつある1). SDMでは歯科医師のみならず,歯科衛生士にも任務が求められている.なかでも,歯科医師に自分の本音を言いづらい患者には歯科衛生士が親身になって対応することが肝要であると考えている.
 今回,補綴歯科治療を経験したことがない未成年患者とその保護者に対し,歯科医師の指示の下,Kernらが提唱するRBFDPs(Resin-Bonded Fixed Dental Prostheses)が最適解であるとした意思決定を促す任務を果たした症例について報告する.
【方法】
 患者は12歳女児.主訴は⎿Eの動揺であるが,後継永久歯欠如であることと患者の受験が重なることを理由に経過観察とした.
 6ヶ月経過後,自然脱落と⎿4の遠心傾斜が認められたことから,審美障害と歯列不正の増悪を新たな主訴として,欠損歯列における補綴歯科治療を提案し,SDMを通じてRBFDPsを施す意思決定を未成年患者とその保護者に委ねた.RBFDPsは浸潤麻酔を必要とせず,侵襲も可及的に最小に,かつ将来の追従性も優れていることを認識した結果,治療方針はRBFDPsと確定した.
 患者は未成年者であり,補綴歯科治療未経験者であることから,歯科衛生士が随時SDMを通じて不安を取り除き,要望を取り入れた.最後には補綴歯科治療を安心して受容してくれた.
【結果と考察】  
 接着直後から患者とその家族はRBFDPsに十分満足し,6か月経過後も非常に高く評価している.
 したがって,歯科衛生士のSDM任務がRBFDPsを意思決定させる要因の一つであることが明らかとなった.
【参考文献】
1) 吉田直子.歯科医療におけるSDM推進と歯科衛生士の役割.歯衛士.2020;44(3):14−23.