講演情報

[P-61]12歳女子患者の先天性欠如に起因する1歯欠損に応用したRBFDPs症例

*森 圭右1、犬飼 夕貴1、山端 眞帆1、大川 友成1,2、高藤 雅1、中村 健太郎1,2、鮎川 保則2 (1. 東海支部、2. 九州大学大学院歯学研究院口腔機能修復学講座 インプラント・義歯補綴学分野)
PDFダウンロードPDFダウンロード
【目的】 
先天性欠如や萌出障害による晩期残存歯を保存する治療法は確立されていない.また,14歳以下における歯列欠損症例は滅多に見られない.その理由として,発育成長期であり予知性が予測できないことに加えて,患者やその家族が非観血処置かつ最小の歯科侵襲治療を熱望されることが考えられる.一般的に便宜抜歯を含めた矯正歯科治療が選択されていることが多いが,口腔内の異物感や長い治療期間などと患者とその家族のQoLが著しく低下することも事実である.
 われわれは,これまで先天性欠如による歯列欠損に対してKernらが提唱するRBFDPs(Resin-Bonded Fixed Dental Prostheses)を応用しているが,未だ14歳以下には適用させたことがない1)
 そこで今回,12歳女子患者の先天性欠損に適用するとしたRBFDPsについて未成年患者とその保護者の同意が得られるよう務めた.その結果,本人のみならず家族も満足したRBFDPs症例を報告する.
【方法】
 主訴は先天性欠如を認める⎿Eの動揺であり,自然脱落を期に加療を希望した.治療計画の立案に際し,便宜抜歯を伴う矯正歯科治療は除外,12歳と低年齢層ゆえにインプラント治療も除外した.
 RBFDPs製作に先立ち,イントラオーラルモックアップを口腔内に試適し,治療イメージを患者とその家族そして歯科衛生士と共有した.
 支台歯は睡眠時ブラキシズムによる接触滑走が著明で遠心傾斜移動が認められた⎿4は除外し,⎿6とした.支台歯形態は審美性の獲得を目的にリテーナーを口蓋側面に,ポンティック基底面形態はオベイド型と設定した.
 RBFDPsの接着は,接着補助具としているAGD(Adhesion Guided Device)を活用してラバーダム防湿下にて施した.
【結果と考察】
 術後の医療面接から主訴改善には十分満足していることが確認できた.6か月経過ではあるが,患者の評価も高く,14歳以下における歯列欠損症例にもRBFDPsは有効であることが示唆された.
【参考文献】
1)森圭右,大川友成,中村健太郎ほか.若年者の連続2歯欠損にジルコニアカンチレバー接着ブリッジで審美回復した症例.日補綴会誌,16・133回特別号:347.2024.
(発表に際して患者・被験者の同意を得た)