講演情報

[P-67]稜線再構成処理がCAD/CAMクラウンのマージン部の形態に与える影響

*土手 康太郎1、佐藤 正樹1、小林 隆一朗1、田中 順子1、柏木 宏介1 (1. 大阪歯科大学有歯補綴咬合学講座)
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【目的】
 現在の歯科用CAD/CAMシステムには,主に光学式のスキャナーが用いられているが,光学スキャニングでは鋭利な隅角部が丸みを帯びて測定される傾向がある(以下,ラウンディングとする).我々はこれまでに,デジタル支台歯の辺縁部に稜線再構成処理(ridgeline reconstruction procedure. 以下,RRPとする)を行うことで,無処理群と比較してCAD/CAMクラウンの適合性が向上することを報告してきた.デジタル支台歯のラウンディングに起因して生じるクラウンマージン部の干渉が,RRPによって低減されたと考察したが,RRPがクラウンマージン部の形態に与える影響について,詳細は明らかではない.本研究の目的は,デジタル支台歯へのRRPが,デジタルクラウンモデルのマージン部の形態に与える影響を検討することである.
【方法】
 補綴科勤務の歯科医師5名に,マネキン上で下顎左側第一大臼歯のCAD/CAMクラウンの支台歯形成を実施させた.光学式デスクトップスキャナー(D2000)でスキャニングした後に,ポリゴン編集ソフトウェア(POLYGONALmeister)を用いて,デジタル支台歯の辺縁部に対してRRPを行い,RRPありとRRPなしの各データから同一条件でCAD/CAMクラウンのデジタルモデルを作成した.支台歯の4部位(近心部,頬側部,遠心部,舌側部)について,RRPありとRRPなし間でのクラウンマージンの垂直方向ならびに内外側方向の位置の変化量を算出した.統計学的解析には反復測定一元配置分散分析を用いた(α = 0.05).
【結果と考察】
 RRP によるクラウンマージン部の位置の変化量は,垂直方向(上方+)ならびに内外側方向(外方+)でそれぞれ 30.0±61.5 μm,72.7±24.8 μmであった.分散分析の結果,垂直方向の変化量に部位間差を認めた(p<0.05).しかし,事後の多重比較検定では,近心部と比較して頬側部で低い傾向を示したものの,有意ではなかった(p=0.07).内外側方向の変化量には有意な部位間差は認められなかった.以上のことから,RRP はショルダー面でのクラウンマージン部の干渉による不適合や,アンダーエクステンデッドマージンとなるリスクを低減させる可能性が示唆された.