講演情報

[P-95]直接経口抗凝固薬(DOAC)がAPTTに及ぼす影響の検討

*吉原 久美子1,2、熊野 穫1、長岡 紀幸3、丸尾 幸憲4、秋山 謙太郎5 (1. 国立研究開発法人産業技術総合研究所、2. 岡山大学医学部免疫病理、3. 岡山大学歯学部先端領域研究センター、4. 岡山大学大学院学術研究院 医療開発領域 歯科 補綴歯科部門、5. 岡山大学大学院学術研究院医歯薬学域 咬合・有床義歯補綴学)
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【緒言】
高齢者人口の増加に伴い、抗凝固薬服用患者に対する抜歯などの外科処置は増加している。ワルファリン服用患者では、チェアサイドでのPT-INR測定により厳密な管理が可能である。一方、近年普及している直接経口抗凝固薬(direct oral anticoagulants:DOAC)は原則としてモニタリング不要とされているが、抜歯後出血などの有害事象も報告されており、歯科臨床における安全な管理法の確立が求められている。そこで本研究では、4種類のDOAC(ダビガトラン、リバーロキサバン、アピキサバン、エドキサバン)が活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)に及ぼす影響を比較検討した。
【方法】
4種類のDOACを、正常血漿に血漿中濃度が0、100、250、500、750、1000 ng/mLとなるよう添加し試料を調製した。APTT試薬としてRevohem APTT SLA(Rev SLA)、Data-fi APTT(Data-fi)、Actin FSL(FSL)、Coagpia APTT-N(Coagpia)、APTT Synthasil(Synthasil)を使用し、各試薬は製造元の指示に従い対応するCaCl₂溶液と組み合わせて測定を行った。測定は全自動血液凝固測定装置CN-3000を用い、各サンプルの凝固時間をブランクの凝固時間で除したAPTT比を算出し比較した。
【結果】
正常血漿におけるベースラインAPTTは、Rev SLA:27.8秒、FSL:26.7秒、Data-fi:25.4秒、Coagpia:27.6秒、Synthasil:33.6秒であった。1000 ng/mLにおけるAPTT比は、ダビガトランで3.1~4.1、リバーロキサバンで2.0~2.9、アピキサバンで1.3~1.5、エドキサバンで1.7~2.2の範囲を示した。
【結論】
凝固第IIa因子阻害薬であるダビガトランは、APTT延長を通じて抗凝固作用の程度を評価する一つの指標となり得る可能性が示唆された。一方で、凝固第Xa因子阻害薬では特にアピキサバンで反応性が乏しい結果であった。また、使用する試薬により差異が認められたため、用いるAPTT試薬の反応性を把握することが重要と考えられた。
【参考文献】
抗血栓療法患者の抜歯に関するガイドライン 2025年版 日本有病者歯科医療学会・日本口腔外科学会・日本老年歯科医学会