講演情報
[課題4]高齢者における食事指導介入が認知機能および脳神経活動に及ぼす影響
*坂田 政貴1、長谷川 陽子1、吉村 将悟1、筒浦 さとみ2、Min Thu Ya1、白鳥 昇1、白水 雅子3、山村 健介4、堀 一浩1 (1. 新潟大学大学院医歯学総合研究科包括歯科補綴学分野、2. 新潟大学大学院自然科学研究科生命・食料科学専攻、3. 京都光華大学短期大学、4. 新潟大学大学院医歯学総合研究科口腔生理学分野)
【目的】
高齢期における認知機能低下の要因の一つとして食習慣が指摘されているが、栄養指導による食習慣改善が認知機能や脳神経活動に及ぼす影響は十分に検証されていない。本研究は自立高齢者を対象に、栄養指導による食物摂取状況の改善と、認知機能や脳神経活動への影響を検討する事を目的とした。
【方法】
65歳以上で折込み広告のQRコードより自ら応募した食事制限のない右利きの自立高齢者48名を対象とした。介入群と対照群に無作為に割り付け、両群とも栄養記録管理アプリによる食事記録を行い、介入群では管理栄養士による栄養指導として週1回の遠隔指導と月1回の対面指導を3か月間実施した。指導では認知機能改善に有効とされる食品の摂取を促した。介入前後に簡易型自記式食事歴法質問票による食事摂取状況、認知機能検査1、機能的近赤外分光法(fNIRS)1,2による認知課題実施時の脳神経活動を評価した。
【結果と考察】
最終解析対象は44名であった。群×時点の二要因分散分析の結果、促進食品のうち果物摂取量に交互作用が認められ、介入群では摂取量が食事バランスガイド目標量相当に到達した。認知課題成績は両群で改善したが、介入群では前頭前野での賦活抑制が認められた(図1)。認知機能検査は群間の介入効果は認められなかった。探索的解析では、果物摂取量が目標量に達した対象者では前頭前野の賦活抑制が認められた。
以上より、栄養指導による認知機能への明確な群間介入効果は示されなかったが、果物摂取量が目標量に到達した高齢者では前頭前野活動との関連が探索的に示された。果物中の抗酸化物質やビタミン類の食事内容の改善が、認知課題処理時の神経効率に関与する可能性が推察され、高齢期における認知機能維持・向上戦略の一つとして、摂取達成度の向上を目標とした指導が有意義である事が示唆された。
【参考文献】
1) Sta. Maria MT, et al. Impact of Chewing Behavior Change on Cognition and Cerebral Hemodynamics. JDR Clin Transl Res. 2025
2) Miyazaki Y, et al. Habitual attentional mastication boosts prefrontal activity during chewing: A randomized trial. J Prosthodont Res. 2026
高齢期における認知機能低下の要因の一つとして食習慣が指摘されているが、栄養指導による食習慣改善が認知機能や脳神経活動に及ぼす影響は十分に検証されていない。本研究は自立高齢者を対象に、栄養指導による食物摂取状況の改善と、認知機能や脳神経活動への影響を検討する事を目的とした。
【方法】
65歳以上で折込み広告のQRコードより自ら応募した食事制限のない右利きの自立高齢者48名を対象とした。介入群と対照群に無作為に割り付け、両群とも栄養記録管理アプリによる食事記録を行い、介入群では管理栄養士による栄養指導として週1回の遠隔指導と月1回の対面指導を3か月間実施した。指導では認知機能改善に有効とされる食品の摂取を促した。介入前後に簡易型自記式食事歴法質問票による食事摂取状況、認知機能検査1、機能的近赤外分光法(fNIRS)1,2による認知課題実施時の脳神経活動を評価した。
【結果と考察】
最終解析対象は44名であった。群×時点の二要因分散分析の結果、促進食品のうち果物摂取量に交互作用が認められ、介入群では摂取量が食事バランスガイド目標量相当に到達した。認知課題成績は両群で改善したが、介入群では前頭前野での賦活抑制が認められた(図1)。認知機能検査は群間の介入効果は認められなかった。探索的解析では、果物摂取量が目標量に達した対象者では前頭前野の賦活抑制が認められた。
以上より、栄養指導による認知機能への明確な群間介入効果は示されなかったが、果物摂取量が目標量に到達した高齢者では前頭前野活動との関連が探索的に示された。果物中の抗酸化物質やビタミン類の食事内容の改善が、認知課題処理時の神経効率に関与する可能性が推察され、高齢期における認知機能維持・向上戦略の一つとして、摂取達成度の向上を目標とした指導が有意義である事が示唆された。
【参考文献】
1) Sta. Maria MT, et al. Impact of Chewing Behavior Change on Cognition and Cerebral Hemodynamics. JDR Clin Transl Res. 2025
2) Miyazaki Y, et al. Habitual attentional mastication boosts prefrontal activity during chewing: A randomized trial. J Prosthodont Res. 2026

