講演情報
[SY10-3]デジタルテクノロジーを活用した有床義歯の臨床応用
*鈴木 恭典1 (1. 鶴見大学歯学部口腔リハビリテーション補綴学講座)
キーワード:
口腔内スキャナー、CAD/CAM、3Dプリント
医療機器のデジタル化に伴い,歯科補綴修復においても口腔内スキャナー(IOS)による光学印象やCAD/CAM技術など多岐にわたるデジタル技術が日常臨床に応用されている.従来法と比較した義歯製作のデジタル化の利点として,①技工材料およびラボワークの軽減,②非金属材料を含む各種材料の使用範囲の拡大,③機械的強度の向上などが挙げられる.コンプリートデンチャーの製作においてもCADによって構築されたデータをもとに紫外線を液体樹脂に照射し,一層ごとに硬化させ造形する液槽重合法を用いた3Dプリント(3 DP)法が現在では多く利用され,昨年12月には3 DP コンプリートデンチャーがC 2 区分で保険導入された.パーシャルデンチャーの分野でも,口腔内スキャナー(IOS)を用いて光学印象しコンピューター支援によりデザインから製作まで行われるようになってきた.しかしIOS による印象採得は,顎堤粘膜の被圧変位性の再現や,可動組織の機能的な形態の正確な採得が困難なことから,現時点では中間欠損のような歯根膜支持型義歯に適用されることが多い.一方,3 DPを用いた金属床義歯フレームワークの製作は切削加工では困難とされていたアンダーカットを有する複雑な形状や中空形態の製作も可能にするだけでなく,製作時間の短縮,コストの削減,切削屑がないなど多くの利点を有している.本講演では有床義歯分野におけるデジタル技術を活用した義歯製作の現状と展望について症例を供覧しながら解説する.
