講演情報

[SY10-座長][座長抄録] 補綴を進化させたデジタル技術 その現状と近未来

*疋田 一洋1、*小峰 太2 (1. 北海道医療大学歯学部口腔機能修復・再建学系デジタル歯科医学分野、2. 日本大学歯学部歯科補綴学第III講座)
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キーワード:

デジタルデンティストリー、口腔内スキャナー、3Dプリント

昨今のデジタル歯科技術の進歩は目覚ましく,従来の歯科治療の枠組みを根底から変えつつある.特に補綴歯科分野においては,口腔内スキャナー(IOS)による高精度な光学印象から,CADデザイン,ミリングや3Dプリンティングによる製作に至るまで,ワークフローの完全デジタル化が急速に進展している.これは単なるツールの置き換えにとどまらず,臨床現場に巨大なパラダイムシフトをもたらしている.インプラント治療等の先行領域に加え,日本国内で特筆すべきは国民皆保険制度下での社会実装の加速である.CAD/CAM冠やIOSの保険収載は,デジタル機器導入への経済的・心理的障壁を引き下げ,一般の歯科診療所や歯科技工所への普及を強力に後押ししてきた.直近の診療報酬改定でも3Dプリントデンチャーの導入や適用拡大が評価され,デジタルデンティストリーは日常臨床に不可欠なスタンダードとして地位を確立しつつある.こうした変革は,補綴装置の精度向上や均質化を通じて患者利益に直結する.さらに,長らく労働集約的であった歯科技工の効率化や環境改善にも寄与し,安定した医療提供体制の構築という点でも極めて重要である.そこで本シンポジウム(日本デジタル歯科学会共催)では,星憲幸先生,近藤尚知先生,鈴木恭典先生を講師に迎え,補綴歯科を「クラウンブリッジ」「インプラント」「有床義歯」の主要3領域に大別し,各エキスパートの視点から変革の軌跡と,AI融合など近未来への展望を提示していただく.