セッション詳細
[2-SL]特別講演5 佐渡島 純一 心筋細胞のセネッセンスが心不全に果たす役割
2026年3月17日(火) 10:40 〜 11:40
第1会場(マルチメディア教育研究棟 2階 講義室)
座長:吉栖 正典(奈良県立医科大学)
セネッセンスは、臓器機能低下や老化の重要な要因として注目されている。ヒト成人の心筋細胞は高度に分化しており、増殖能は極めて低い。しかし、酸化ストレスなどによりテロメアが損傷すると、分裂によるテロメア短縮を伴わなくてもセネッセンスが誘導される。セネッセンスに陥った心筋細胞(S-心筋細胞)は、炎症性サイトカインなどを分泌することで周囲の細胞にもセネッセンスを波及させ、心筋リモデリングを促進する。これらの細胞は免疫系による除去を受けにくく、蓄積することで心機能低下に寄与すると考えられている。近年、セネッセンス細胞を選択的に除去する治療(セノリティクス)が臓器機能の改善につながる可能性が示されている。本セミナーでは、再生能が乏しい心臓においてS-心筋細胞を積極的に除去することが、心機能の改善に結びつくのかについて、最新の知見を踏まえて議論する。
