2018年度人工知能学会全国大会(第32回)

2018年度人工知能学会全国大会(第32回)

2018年6月5日〜6月8日鹿児島県鹿児島市(城山観光ホテル)
人工知能学会
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)

2018年度人工知能学会全国大会(第32回)

2018年6月5日〜6月8日鹿児島県鹿児島市(城山観光ホテル)

[1A0-02] 「手づくりの会話情報学 – 人と人工知能の未来のコミュニケーション」

西田 豊明1(1. 京都大学 大学院情報学研究科 教授/理化学研究所 革新知能統合研究センター 人とAIのコミュニケーションチーム チームリーダー)
現代の人工知能は,機械学習技術の進展により膨大な空間の中からのパターン発見能力が大幅に強化され,高度化が急速に進んでいます. 人間社会が人工知能のもたらすベネフィットを最大限に享受できるようにするためには,人間社会と人工知能がともに依拠できる共有基盤(common ground)を構築し,発展させていく手法を確立することが不可欠です. 目標とすべき共有基盤の条件として,人にとっても人工知能にとってもその内容がよく理解できること,および,人間社会のすべての構成員が自分の考えや気持ちを織り込んで相互理解を促進するための土台となることを課すのであれば,誰でも日常親しんでいる会話を通して共有基盤づくりに参加できるようにすることが必要になります. 他方,人と人が日常的に行っている会話は,非常に多くの要因が複雑に絡み合い,暗黙的な側面をたくさん含んでいますから,会話からの共有基盤づくり,および,共有基盤を理解してさまざまな応用で活用できるようにすることは,非常にチャレンジングな課題であると言えます. 現代のテクノロジーをもってしても,共有基盤づくりも会話システムづくりもかなり手づくりにならざるを得ないと考えられますが,それは必ずしもディメリットではありません. 手づくりのプロセスを通して会話について,会話に参加する人間について,そして,人工知能が会話に参加できるようになるための条件について多くのことを学ぶことができます. この講演では,会話の面白さと難しさに触れつつ会話に関わるこれまでの研究を俯瞰し,共有基盤構築と活用のための課題とアプローチ,および人工知能をはじめとするテクノロジーによる会話の拡張について議論します.