講演情報
[1H5-OS-5b-06]能動的推論に基づく生成AIを用いた説得ナラティブの設計健康増進のための散歩を対象とした行動変容実験
〇渡辺 将生1、永山 晋1 (1. 一橋大学)
キーワード:
生成AI、行動変容、ナラティブ、能動的推論、説得
説得ナラティブは、行動変容を促す有力な介入手法である。近年では、特定のナラティブ理論を組み込んだ生成AIによる説得の有効性が注目されている。しかし、多くの既存理論は経験的知見に依拠しており、その基盤となる認知メカニズムについて統一的な理論的枠組みを欠いている。本研究は、知覚・行為・学習を統一的に説明する能動的推論モデルに基づき、説得的ナラティブの設計フレームワークを提案する。本フレームワークでは、エージェントの選好と予測される結果との価値整合性を高めると同時に、行為結果に関する不確実性を低減するようナラティブを構成する。この有効性を検証するため、人口統計的ペルソナを付与した100体のLLMエージェントを用いた実験を実施し、散歩を促進する4条件(能動的推論、プロスペクト理論、アリストテレス的修辞学、ベースライン)を比較した。その結果、能動的推論条件は選択確率54%と最も高い値を示し、反論可能性や心理的反発も効果的に抑制した。これらの結果は、能動的推論に基づくナラティブ設計が説得研究において有望である可能性を示唆する。
