講演情報
[1K3-GS-3a-02]組織経験を戦略的資源として活用するためのオントロジーの構想
〇中野 和久1、伊集院 幸輝1、西村 拓一1 (1. 北陸先端科学技術大学院大学)
キーワード:
オントロジー工学、過去の使用
組織は過去の出来事を「歴史」として意味づけ,戦略的判断や変革の資源として活用する.しかし,多様な立場が生む解釈の分岐と,膨大かつ暗黙的な経験の蓄積という二つの課題から,そのような「過去の使用」を支える記述・管理の設計原理は未整備のままである.本研究は,組織構成員が知覚した出来事(Event)と,それに対して状況依存的に生成される解釈(InterpretationStatement/InterpretationAct)を分離して記述する「組織経験戦略的活用オントロジー」を構想する.Events-Based Approach および時間性(temporality)の議論に依拠し,解釈を生成条件(立場・場・証跡)へ遡及可能な形で保持することで,多声的解釈を収束させずに比較・参照できる構造を提供する.また,出来事間の関係を客観的構造として固定せず EventRelationAssertion として蓄積することで,因果的連続性の記述を可能にする.本オントロジーは PROV-O,HiCO,Organization Ontology と接続可能に設計され,組織の過去を再利用可能な戦略資源へと変換する知識基盤として機能することが期待される.
