講演情報
[1M4-GS-5x-01]認知階層と人格特性の役割区別に着目したLLMマルチエージェントによる美人コンテストゲームの分析
〇松井 一樹1 (1. 一般社団法人JAIST支援機構)
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キーワード:
LLM、マルチエージェント、認知階層、ビッグファイブ人格特性
近年、大規模言語モデル(Large Language Model)に基づくマルチエージェント・シミュレーション(LLM-MAS)が、人間の戦略的意思決定を再現しうる手法として注目を集めている。本研究は、美人コンテストゲームを用いて、この可能性を検討するものである。本研究では、推論の深さを認知階層(Cognitive Hierarchy)によって制御し、ビッグファイブ性格特性の一つである外向性(Extraversion)をエージェントの属性として組み込んだLLM-MASを構築した。シミュレーションの結果、外向性は推論の深さを予測せず、また予測誤差に対しても統計的に有意な直接効果を示さなかった。一方で、記述的分析からは、外向性の高いエージェントほど、反復ラウンドを通じて行動をより強く調整する傾向が示唆された。これらの結果は、認知階層が戦略的推論の形成に影響を与える一方で、性格特性は、推論された社会的情報が実際の行動へと変換される過程、特に行動調整のダイナミクスに関係している可能性を示している。本研究は、LLMに基づく社会シミュレーションに性格特性を組み込むための探索的枠組みを提示するものである。
