講演情報
[1Yin-B-20]大規模言語モデルを用いた多段階推論による不動産ローン契約書の期日解釈手法
〇堀 恵実1、東 幸宏1 (1. 日本アイ・ビー・エム システムズ・エンジニアリング株式会社)
キーワード:
大規模言語モデル、情報抽出
不動産証券化スキームのローン契約書には,契約対象となる不動産物件の情報に加えて,資金実行,分割返済,運用報告書の提出期限など,契約期間内に複数種類の期日が設定される.これらの期日には,決算四半期ごとに到来するものなど,複数回発生するものも含まれる.また,期日そのものや期日算出の基準日が契約書内の複数ページに分散して記載されているため,人手による確認には多くの時間を要するという課題があった.本研究では,大規模言語モデル(LLM)の構造化出力機能(Structured Outputs)を活用し,期日に関する記述の抽出と解釈を多段階で実施するワークフローを構築するとともに,解釈された期日の根拠文をユーザインタフェース上で参照可能なWebシステムを考案する.これにより,「基準日から5営業日以内」のような複数ページにわたって定義される期日であっても年月日形式で抽出可能となるアプローチを実現した.また,根拠文を提示することで,LLMによる解釈過程の説明可能性も確保した.さらに,実験による定量評価および不動産本部の担当者による検証を通じて,提案手法が期日管理の効率化に有効であることを確認した.
