講演情報
[1Yin-B-36]吸音境界条件を考慮したPINNsによる時間領域散乱音場推定
〇鬼澤 諒介1、佐藤 元1、津國 和泉1、池田 雄介1 (1. 東京電機大学)
キーワード:
音響散乱、音場モデリング、境界条件
室内を伝搬する音のうち、壁や物体に対して不規則な方向へ反射を繰り返す音響散乱と呼ばれる現象を詳細に理解するためには、マイクロホンによる計測に基づいた音場の推定技術が重要である。音響散乱の推定技術は、コンサートホールなどの室内音響設計にも活用されているが、高精度な推定を行うためには膨大な数の計測点を必要とするという課題がある。近年、少数の計測点から深層学習の損失関数に物理モデルを導入したネットワーク(PINNs)を用いて、剛球に対する散乱音場を推定する手法が提案されている。しかし、物体が吸音率を有する場合には適用できないことや、周波数ごとにモデルを再構築する必要があるといった課題が残されている。そこで本研究では、少数の計測情報から吸音境界を持つ物体に対する時間領域の散乱音場推定を目的として、深層学習の損失関数に、境界条件として所望のインピーダンスと推定音圧の関係を学習させる項を追加したモデルを提案する。シミュレーション実験を行い、境界条件項の有無による推定精度を正規化平均二乗誤差を用いて評価した結果、境界条件項の導入することによって高精度に散乱音場を推定可能であることを確認した。
