講演情報

[2L4-GS-5c-02]生成AIマルチエージェントを用いた営業支援システムの構想と技術検証

〇川野 陽慈1、須賀 聖2 (1. 株式会社マクニカ、2. 関西大学ビジネスデータサイエンス学部)

キーワード:

LLMマルチエージェント、営業交渉シミュレーション、行動変容

大規模言語モデル(LLM)の急速な進展に伴い,AIエージェントにはビジネス業務を支援する役割がますます期待されている.本研究では,企業の営業活動を支援することを目的として,顧客—営業担当者間の交渉を模擬するLLMベースのマルチエージェントシステムを構築し,その技術的妥当性を検証する.本システムは,顧客の組織的制約と心理状態をパラメータ化し,営業エージェントとの反復対話を通じて合意形成プロセスをシミュレートする.実在する製品情報を用い,発話をルーブリックに基づいて採点することで,β分布としてモデル化した潜在変数である顧客の確信度を,解釈可能な形でベイズ更新できるかを評価する.さらに,ROI(投資対効果)重視の営業戦略を想定し,確信度の推移(軌跡)を可視化する.複数回の試行の結果,ルーブリック評価に基づく発話は,一貫して解釈可能な事後分布の更新を与え,事後平均が単調に増加する傾向も多く観察された.最後に,社内展開に向けた課題と今後の方向性として,営業戦略の仮説検証や失注リスクの早期警告などを議論する.