講演情報

[2L4-GS-5c-04]市場規模変動環境における在庫制約市場でのアルゴリズム共謀

〇喜多村 譲1、藤田 桂英1 (1. 東京農工大学)

キーワード:

アルゴリズム共謀、強化学習、動的価格設定

本研究は,在庫制約を伴う価格競争市場において,強化学習によるアルゴリズム共謀が,市場規模の時間変動を伴う環境下でどのように形成されるかを検証することを目的とする. 近年,製品やサービスの価格設定に能動的に価格戦略を学習するエージェントの導入が進んでいる.こうしたエージェントの自律性により,競合企業間で明示的なコミュニケーションを行うことなく価格が引き上げられる現象,いわゆるアルゴリズム共謀がシミュレーション実験により確認されている.従来の在庫制約を伴う価格競争市場を対象とした研究では,顧客数や需要のスケールを表す市場規模が時間的に一定であると仮定されてきた. 本研究では,より現実的な設定として,市場規模が時間とともに変動する市場環境を導入する.強化学習アルゴリズムの一種である PPO を適用した実験において,市場規模が変化する局面では,市場規模の変化速度と共謀指数との間に負の相関が観測された.この結果は,予約市場において時間ごとの需要の平準化を図る施策が,状況によってはアルゴリズム共謀を助長する可能性を示唆している.